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崩れた世界で君と踊る  作者: 物好 林檎
異世界への誘い
7/16

ダリア

お、く、れ、ま、し、た!

反省しかしてません!

おかえり、そう木霊するヘルさんの声。ごめんなさい…やっぱり勇気が足りなかったみたい。

 

 「さぁ、こちらに来るんだ。そしてこの刀を受け取れ。これは源義経の魂が受け継がれているんだぞ…。」

 

 私はあやつり人形。思うままに体の動かない操られた存在。だめだって分かってても、行かなくちゃ。…勝てないから。 最強の剣客の剣を手にして。

 

 私は刀を受け取った。その後、その刀で自分の手を切った。思いっきり。悔いのないように。

 

 「ダリアの花か…、完全に裏切ると決めたようだな。」

 

 私は真っ黒なダリアに包まれた。兄様と同じ、自慢だった銀髪は黒に、服も着物に。すべて変わるんだ。すべて…。

 

 「不老不死の世界へようこそ、ルナ。」

 

 「ええ。」

 

 手を取ったその瞬間、後ろから足早に黒軍服の男性が赤髪の女性に斬りかかった。

 

 「アマテラス、その女を離せ。」

 

 トリカブトのような強さ。そして、儚くて凛々しい目。ランスロット…だった。

 

 「おい女、そいつから離れろ。」

 

 相変わらず強引。私たち、あってから数日…いや、一日もたってないんですけど…。と言うより、なんであんたがここに来てんの、…って突っ込みたい。

 

 「ルナ!」

 

 その声は、懐かしく感じる、私の大好きなお兄様だった。…でも、なにか様子がおかしかった。

 

 「ルナよ、あいつはアポロンだ。でも今お前は…源義経の剣を受け継いだ剣客だろう…?今は敵だ。」

 

 敵。そう聞くと、私は操られたかのように剣を振る。兄様だとわかっていても、剣を向けてしまう…。ごめんなさい兄様。…ルナは。…私は、

 

 「…私は勇気が足りないの。」

 

 「ルナ!目を覚ませ!俺のことわからないのか?!」

 

 意識が朦朧としてくる、私の頭の中はくるくると回っているようで。記憶などが薄れていく、何も無かったかのように。

 

 「女!、このままだと義経に飲み込まれてしまうぞ!…っ、女!」

 

 私にはランスロットの言葉も、途切れ途切れにしか聞こえなかった。まるで雑音のようなものが流れていて…。どうしても聞くことが出来なかった。

 

 「そろそろ増援部隊が来るだろうからなぁ、ルナよ、撤退するぞ?」

 

 「…わかった。」

 

 そう言われると、アマテラスの手を取り、空へと誘われた。

 

 「待てっ、ルナ!ルナぁぁあ!」

 

 「る、ルナ!」

 

 兄様とランスロットの声が同時に聞こえた。それも束の間。“ルナ”という意識も消えていく中、私は日本軍のアジトに運ばれていた。

 

 …目覚めるとそこは、微かに光る玉と部屋が用意されていた。特別綺麗な部屋でもないし、汚くもない。

 

 「起きましたか?ルナさん。」

 

 「あ、はい。…」

 

 目覚めると、薄い茶髪の男性が隣に座っていた。私は熱でもあるのだろうか…。頭にお絞りと思われるものが乗ってる。…なにこれ。

 

 「偉人結合がすんだばかりの人は、体調が悪くなる人もいるんですよ。…ずっと俺が看病してました。」

 

 にこやかに、これまた微笑むように笑う男性は、どこか兄様のような優しさを感じた。

 

 「そ、ありがと…っ、て、貴方誰?!!」

 

 「えー、名前行ったらわかると思うんですが…。…沖田総司です。」

 

 え。あの?あの沖田総司…?新選組の…。組長の…。突然の名乗りに私はとても驚いた。

 

 「ははっ、そんなにびっくりしなくてもいいじゃないですか!土方さんとか近藤さんとか…ましてやかぐや姫とかもいますよ?、あなただって義経なんですから…」

 

 そ、そうよね。…ビックリすることじゃ…ない、よね?普通の人はびっくりするだろうけど。

 

 「体調もう大丈夫だとおもうわ。これからどこに行けばいいの?」

 

 「まずはみんなに挨拶…ですね!アマテラス様から何か言われませんでした?」

 

 何も言ってなかったような気がするけど…。でも記憶は曖昧で、変な感じがする。

 

 「じゃあ、とりあえずついてきてください。」

 

 私は静かに連れられると、そこには偉人と思わせるような人たちが座っていた。まるで私を…待っているような。

 

 「待っていたぞ、義経。…私はアマテラス。天照大御神だ。」

 

 “義経”。聞きなれないその言葉でさえも、ありがたく感じる。義経は剣客の中一番で、強かった男だったから。

 

 そして、アマテラス…聞き覚えがあるけれど。どうしても思い出せない。

 

 「…あの人誰?」

 

 「しーっ、かぐや姫、静かに」

 

 かぐや姫と呼ばれている小さい子が沖田さんの後ろに隠れつつ、あやされていた。

 

 「我らの場所は決して悪い所ではない。ただ…この国に夜を訪れさせたいんだ。我らの首領、十二支も。…共に、元の世界を取り戻そうじゃないか。」

 

 たしか、国に夜を訪れさせる。それが私達の大きな課題だった。小さいようで小さくない、大切な。

 

 「あは、あはは…早くぅ…早く王子様に会いたい…アレスさまぁ」

 

 アレス…?誰だろう。白髪のボブの少女。ドレスを見に纏った、麗しき女性だった。…でも、なんか狂ってるような…。

 

 「白雪姫、挨拶を。」

 

 アマテラスが声をかけると、「はぁーい」なんて言いながらしぶしぶ私の目の前に来た。

 

 「白雪姫…と申します。偉人格、ナンバー7、でございますぅ。」

 

 いいか悪いか分からない順位に、私はどう反応していいかわからなかったけど…。やばそうな人だってことはわかった…。

 

 「左から、説明していきますぅ。現在いる6人の偉人だけですけどぉ…ではまず…」

 

 「先程説明しました、俺は沖田総司です。基本アジトの見回りや、剣術を学んでいます。宜しくお願いします…!、次、かぐや姫ですよ、」

 

 ぺこりと頭を下げ、新選組らしき服を着ておる彼は、後ろに隠れた少女を前に出した。

 

 「…わらわは、かぐやともうす…。まだ、言葉がよくわからぬ。…よ、よろしゅう。…つ、次。」

 

 ピョコ、と出たらすぐに隠れてしまった少女は物語のかぐや姫とは少し違う感じがした。

 

 あと2人。…どういう人なんだろ。

 

 「…うーーーーっす。」

 

 奥の部屋から椅子がガラガラと早いスピードで走ってきた。…何か、黒い髪の…もさもさ?

 

 「…あくたがわ、です。…芥川龍之介…以後宜しく。そんだけ。原稿中なので、…失礼。最後よろしく。」

 

 それだけ言うと、同じように椅子が滑り、部屋に戻っていった。ひたすら不思議な人だったけど、なんか…面白そうだった。

 

 「…新入り…か。興味深い。良かったらデッサン人形の代わりになってくれないか??」

 

 喋り方が男の子っぽい、細いツインテールの女の子。スタイルは抜群。目つきが悪いけど、性格は良さそう。

 

 「あ、今紹介中…?…テオドルス…んーと、テオドルス・ファン・ゴッホ…だけど。…画家してる。戦闘とか、あんまり得意じゃないけど、よろしくね。」

 

 どこが出聞き覚えのある名字だなぁと思いながら、私はお辞儀をする。1人1人個性が分かれていて、違う生き方をしてる。私も、これからここで生活する。仲間達と、共に。


ランスロットが怒られます…


ランスロットメインです!

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