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崩れた世界で君と踊る  作者: 物好 林檎
異世界への誘い
13/16

アナナスとカトレアの花

アテナちゃんは頭がいいはずなので気づくはずだと思います。(ネタバレ)

…ここどこ…?…ギリシアとは少し匂いが違うなぁ…

 

 「起きたか、麗しき愛の女神よ。」

 

 私が目覚めると、其処には忌々しい巫女がこちらを見て座っていた。

 

 「ちょっ、貴女誰なんですかっ?此処は何処ですか!誘拐犯ですよ?!ゼウス様に訴えますよ!」

 

 「変わった娘ですわね。」

 

 変わっている。…そう、私は変わっている。

 

 私は、小さい頃からギリシアの城に住んでた。母と父は昔、戦争でなくなっていて、イトコのゼウス様に引き取ってもらったんだ。

 

 私は、周りのこと比べると、なかなか注目を集める子だった。

 

 それは、美貌の点で。…最近は気にかけてはないけれど、私は愛の神ヴィーナスと並ぶほどの力を持っている、愛の女神、アフロディーテ。

 

 引き取られた時は、なかなか城から出してもらうことが出来なくて、ずっと独りぼっちで本を読んでた。…その時、仲良くなったのがアテナだった。

 

 「お前、何してるんだ?いつも、ここに来てるよな。好きなのか?本。」

 

 今はショートカットだけど、この時アテナはロングだった。

 

 サラサラで、綺麗で、でも何処か男の子っぽいところとかがあって、最初は絶対に仲良くなれないなぁ、って思ってた。

 

 だけど、私が毎日図書館に行くと、必ず私が好きそうな本を探してくれて、一緒に読もう。といつも言ってくれた。

 

 アテナとは同年代で、初めての女の子の友達ができたと思ったの。…それからは、毎日毎日遊ぶようになった。

 

 アテナが付いていれば外に出てもいい、と言われるようになったし、海に出かけるのも自由になった。

 

 ところがある日、アテナとお散歩していた時、私がチョウチョを探してフラフラしてたら、迷子になっちゃって。

 

 森の中で泣いている時に、海賊団に狙われたの。その時ちょうど夜で、真っ暗闇の中、一人で泣いてた。

 

 誰か助けて…、そう叫んだ時に来てくれたのが、二歳上の、アテナのお兄さん、ランスロットさんだった。

 

 「おい、大丈夫か。怪我とか、してないか。」

 

 海賊団を倒したと思われる彼は、顔に血がついていて、その時に変な感情が生まれてまたまた泣いちゃったっけ。

 

 怪我してない?、そう聴いた時に、

 

 「大丈夫、怪我してない。…ほら、後ろ乗れ。」

 

 肩を差し出した時、其処には傷跡があって。どうしても治したくて、禁じられていた治癒の力を使った。…その時、私の心が揺らいだ。ゆらゆら、ゆらゆら、まるで新しい風が吹いているかのように。

 

 『アフロディーテ、この力を使うと、君は運命に逆らえなくなる。辿りたくない道に行くかもしれない。強力な治癒魔法なんだ。』

 

 最初はよくわからなかった。でも、後々から自分が不老不死、そう気づいてしまった。

 

 「お前、顔とか綺麗なんだから迷子にはなるなよ。妹と違って泣き虫だし。…馬鹿か。」

 

 強く言ってくれてありがとう、それは、私を強くしてくれるの。誰も私を叱ってくれる人なんていなかったから。…好き、大好き。あなたの事が、好き。…暫く片思いになっちゃうけど…それでもいいの。

 

 

 『アフロディーテ、君は本当に美しいよ、これを受け取ってくれるかな。』

 

 毎回求婚されるときは、アナナスを渡されていた。…私のこと、あくまでも〝美しい〟としか思ってないのに。

 

 美貌がなんだっていうの?…大切なのは、そんなんじゃない。

 

 『あなた変わり者ね、あんなに美男子を振るなんて。』

 

 『変わり者すぎ。意見とか合わないしさぁ。…友達やめよっか?』

 

 私は変わり者。…私のこと、もっと笑ってもいいんだよ。それでも、私自身が誇りに思えてくるから。個性だって。…大切なことがわかるなら、もっと笑ってもらって構わない。

 

 「は?、私はそんなことじゃ変わり者だとは思わないけど。…てか好きじゃないやつと結婚しなきゃいけないんだ?私でも嫌だ。かっこよくてもな。自分の選択に自信もった方がいいんじゃない?」

 

 なぜかイライラしているアテナにクスッと笑う私。なんだか意思疎通できて嬉しいなぁ。…自信かぁ。

 

 「ありがとうアテナ、大好き。」

 

 「あ、ああ。」

 

 少し照れ気味なアテナだけど、やっぱり友達だなぁ、親友だなぁ、って思えた。

 

 「アテナって、カトレアの花みたいだよね!」

 

 「ありがとう、そう言ってもらえると…嬉しい」

 

 でも、今思うと、〝完璧〟だよね。なんて言ってたんだなぁって。アテナも、『こいつもこういうこと言ってくる奴なんだなぁ』って思ってたのかなぁ。

 

 ごめんね。私はあなたの強さが羨ましかっただけなの。大好きだから。

 

 私なんて、生きていくだけで精一杯なのに。…愛されたいなんて思うの、勿体無いことなの。でも、ありがとうって言いたいの。

 

 でも、結局言えなかったんだね、私。

 

 助かるはずがない。此処に連れてこられて、絶対に裏切りたくないの。貴女も、仲間も、そして…ランスロットさんも。

 

 「変わったやつです、私は。」

 

 「じゃあ、私たちの仲間になってくれるでしょう?変わり者なんだから。」

 

 「…ならない。殺されても構わない。誰より治癒力は高いから。…負けないから。」

 

 私は負けないの。絶対。戦えないからって見くびらないでほしいの。…回復薬なら、ナイチンゲールさんもいる。私がいなくても大丈夫。

 

 「本当に変わった子。選択を間違えたことを後悔することね。」

 

 「自分の選択に自信を持つの。何が何でもね。」

 

 アテナに言われたこと思い出して、クスッと笑う。

 

 「生意気な小娘。二度と見れない顔にしてあげる。…ランスロット様といるのは私よ。何が何でもね。」

 

 それは私が決めることじゃないわ。ランスロットさんが決めることだから。…美貌がなんだっていうの。

 

 人の心が、強ければ強いほど、頑張れるんだから。

 

 「ふんっ!」

 

 私のことを殴る卑弥呼は、何処か悲しそうな顔をして、こちらを見つめていた。

 

 「…っ!」

 

 痛いけど、痛みは増すけど、何度でもアテナと、みんなの事を考えれば大丈夫。

 

 「命がある限り、私は倒れないわ!」

 

 致命傷でも死なない、そんな治癒力。

 

 不老不死。不老不死同士では殺しあえる。でも、私がそれだけじゃ死なないのは、何よりも力になれること。

 

 「思う存分、傷を覆ったら良いじゃないの。」

 

 私は負けないからね。…お願い、此処の手がかりを置いてきたの、アテナ、気づいて…!

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40個で50コインです!(だいたい120円)

使い勝手がいいスタンプにしますね!

お楽しみに!

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