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外伝 1幕

お待たせしました。外伝です。書いているうちに文字数が増えに増え、予定の倍近く書く羽目になったので、前後編に分けてみました。なお、本編先に読まないとちょっとわかりにくいので、悪しからず。

舟橋源太左衛門は正座をしていた。否、正座をさせられていた。奥方と、侍女6人によってである。屋敷の客間、本来であれば、賓客を持て成す為の広間であり、殿がいらしたときは上座にお座り願う由緒正しき部屋であるのに、今、鎮座おわすのは、我が奥方であり、そばに仕えるのは舟橋ではなく、台所を奥方と共に預かる侍女6人であった。


曰く、旦那様は一体台所で何をやっていたのですか。と、舟橋は詰められたが、料理をしていたとしか答えられない。ただ、あの時源田が作ってくれた中華がゆを再現したかっただけであった。


時はさかのぼり、源田をはじめとする千葉、高津、大場が現代に戻ってから2週間程度が経った頃。殿と夕餉を共にしていた時、殿からあの時舟橋が食した粥の話題となった。共に並んでいた香坂、蓼沼もその味を知っていたので、私も味わってみたいものだと宣われた。殿にとっては再現できない事を知っての上、冗談のつもりだったのだが、ちょっとした後ろめたさがあった舟橋には通じない。気にするなと言われても気にしてしまうまじめな性格もあって、ちょっと気落ちをした姿で上杉の屋敷を辞し、自宅に帰ったのである。


帰宅道中、舟橋は考えた。まさか、突然あの連中が消えてしまうとは思ってもよらず、また今度作ってもらえば良いと考えていた自分を呪ったが、時すでに遅し。幸い、色々な料理を作っているところを源田に見せてもらっているので、どんな道具を使っていた位はわかっているのと、源田が作り出す料理の極意は火力だということも、本人から直接聞いている。殿がご所望であるのは粥だから、米に汁を放り込めばなんとなくできるのではないだろうか。で、あるならば、今は何が足りないかというと、源田が振っていた鍋と火力が常に発揮できる様なかまど。香りを醸し出す材料は多分ゴマ油。日ノ本の料理に入れることはまずなかったが、行燈油としては比較的一般的であるので、これを拝借して使ってみれば、似たようなものは出来るのではないだろうか。そして鍋。あのわんぐりとした鍋を再現しようとしたら、日ノ本にあんな鍋は存在しないと思うので、新たに作り出す必要がある。鍛冶屋に相談して見れば、作れるかもしれない。兜がちょうど同じような形をしているから、案外簡単にできるかもしれない。あと、足りないものは強力な火力を維持できるかまどだが、ふいごを取り付けて足踏みしながら火をくべれば、かなり強い火力が期待できるのでは?と言った様子で、なんとなく粥の復元ができるのではないかという気になっていった舟橋であった。


「おかえりなさいませ。旦那様。」


屋敷に帰り着くと、筆頭女中が出迎えに来た。続いて奥方も顔を見せると、舟橋は奥方に刀を預ける。旗本クラスの侍なので、丁稚などおらず、舟橋邸は奥方と侍女6人で維持されていた。この時代では珍しい幼馴染と結婚した舟橋だが、奥方が無名もいいところの出もあったため、舟橋が結婚していること自体、あまり知られていない。また、侍女6人は比較的多い方であったが、この時代には珍しく交代制を取っていたため、実際に日中屋敷にいるのは2人と少ない。


比較的遅くに主人が帰ってくる舟橋家の夕餉は、江戸の街中に屋敷を設けていた割には大変豪勢であった。田舎侍の割には質実剛健を目下の評としていた事もあったが、一汁三菜も屋敷の中で取れる野菜だったり、たまに舟橋自らがとってくる鮎の干物だったり、肉類も鶏とイノシシといったところで、庶民と変わらない食事の様子を取っていた。これは、彼らの出身が現在の山形であったこともあり、また、性格的にも侍だからと自活を一切せず、なんてこともなく、鍛錬の一環でイノシシ狩りやアユ釣り、屋敷の一角を使って家庭菜園をするなどしていた。ただ、舟橋曰く、奥方の作る料理は美味いとの事、飽きることはなかった。今日の夕餉は、麦入り米、小松菜の味噌汁、きゅうりのぬか漬け、猪肉の干物、半分に割ったゆで卵。舟橋から言わせれば、すさまじく贅沢な夕餉であったので、奥方に何かあったのかと問いかけたくらいだ。


「庭の鶏が卵を生み落としまして、7個ですが取ってあります。」


しかるに、この膳に半分が2つあるので、残りは5個か。


「旦那様、さすがですね。女中もことさら喜んでおいでです。」


普段からやってもらっているし、せっかくだ。分けてやらんと罰当たりであろう。しかも一人は身ごもっておる。


舟橋は愛妻家であるとともに、気遣いも出来る江戸時代には珍しい部類の男であり、堅物ではあるものの頑固ではなく、それもあって鳥獣戯画の一行ともすんなり付き合えることができた。この辺は職業柄、外交も面倒を見るなどしていたためか。割と器用に判断できる器を持つ。子煩悩な性質を持つ舟橋だが、そうでなければ齢15の殿に仕え、江戸までついてくるなど出来るわけもない。かつ、なんとなくではあるが、江戸に当時流行ったと言われる、「江戸煩い」が、白米ばっかり食っていた事による栄養の偏りから来ているのではないかということを、なんとなく理解していた事もあって、白米を食うことのこだわりがあまりなく、むしろ色々食いたいと思っていた節もあった。そこに、源田の中華がゆが目の前に来たのだから、舟橋にとっては工夫次第で幾らでも食を豊かにでき、ひいては藩の窮状、ひいては財政を立て直すこともできると踏んでいた。実際には、後世の人間が藩を立て直すのだが、それは別の話なので、ここでは割愛させていただく。


とにかく、殿が所望する粥を復元すべく、段取りをつけようとするのだが、早速最初の壁にぶち当たる。男が台所に立つに当たって奥方女中共に話すぐらいは通しておかなければ面倒なことになる。まずはここからあたるこ


「旦那様がお外でお勤めをしていただけるからこそ、女は台所を守ることができます。」


とたんに言えなくなった。



翌朝、舟橋はいつもより早く床から抜け出て身支度を進めた。普段は奥方と共に身を整えるのだが、今日に限っては都合が悪い。ちょっとばかし見ておかねばならぬものがある。そう、台所だ。いつから奥方どもが使い始めるか、どこをどう使っているのかを把握せねばなるまい。ばれてはならぬ。多分めんどくさいことになる。


事を穏便に進めようと未明から台所の窓に張り付き、いつぐらいから火を入れ始めるのかを把握して、その隙間時間を狙って使わせてもらおうという算段を実行すべく、舟橋は台所の裏手に回り込んだ。我ながら素晴らしい思い付きと自画自賛をする舟橋だが、素直に言えば良いものをわざわざ遠回りするのが彼らしいというか、要はこういったことに関しては不器用なので余計な苦労をしょい込む。顔なじみに対して余計な気を使い、でも、それが彼の良いところでもあり、悪いところでもあるのだが、その気遣いが今回、激しく裏目に出た。まずは初手。夜明け前からかまどに火が入っていたのである。


自室に戻ると不安顔の奥方が部屋で待っていた。何を隠そう舟橋は奥方と一緒の部屋どころか一緒の布団で寝ている当時としては珍しい侍である。超が付くほどの愛妻家でもあり、愛妻すぎるばかり、他の者に自分の妻の事を一切話さない。婚儀を結んでいることは話すのだが、それ以上は武士の持つ話題ではないとだんまりを決め込んでしまう。なんてことはない、好きすぎてとても他の者に話すことができないのだ。このことを知っているのは、屋敷の女中と先代の奥方だが、先代の奥方は前年に地元に帰ったため、夜は堂々といちゃつく事が出来てうらやましいと思いきや、またもや好きすぎて、布団の中は抱きしめるだけに留まる。その奥方がすでに起きていた。布団の上に正座をしてこちらを見上げている。上目遣いが超可愛い。もとい、これはちょっと怒っている。


「旦那様、どちらへ行かれていたのですか。」


万事休す。とても台所がいつ空いているかなど調べに行っていたなど言えない。寝巻で表に行くのもみっともないと、ちょっと着替えをしていったのもかなりまずい。いやしか


「寂しゅうございます。」


髪を下した彼女のおでこが拙者の胸にちょこんと触れる。ここから先は幾ら皆の衆でも語るわけには行くまい。日が昇ってきておるが、そんなこと知ったことではない。


朝餉の席は大変気まずい思いをしたが、夫婦であるのでいいものと思い込み、屋敷を出た舟橋であったが、これには深い訳がある。武士である以上、慎みと勤勉さを十分に理解し、殿に仕えるのが本懐であり、奥方といえどもそういった行為に現を抜かすなど言語道断、といった意識があった。が、千葉や源田と共にしたいつかの夕餉で、話題が子孫の事になったとき、舟橋の奥方になかなか子が宿らないと零してしまった事があった。その時、高津にどれくらい致しているのか聞かれた。さすがにそのままを明かすわけにもいかないので、どう答えを返そうか悩んでいたところ、そもそも致さなければ出来るわけがないとも、不妊といってもただ単に当たらないだけといったことが多いとも、さすが未来の御仁と思ったところ。が、源田曰く、本気でほしいなら毎日どころかとにかく回数を増やして当たる機会を増やすのが鉄則なのと、男の精を保たせるため、栄養を徹底的に保たせる事も重要と教えを頂いた。藩を精強にするためにも、この栄養とやらが何かのきっかけになると、この後も源田に教えを乞うたが、中途半端に学んだところで、例の屋敷、会館といったがその邸宅は源田ごと露と消えてしまった。しかし、精をつけることで精強となるところまでは学べたので、その知識をどうにか役立て、藩の発展と殿への忠義建てとしたい舟橋であった。


さて、藩邸。舟橋が主こと上杉勝興は、登城してくる自分の部下たちを松の間で待ちつつ、舟橋と共に過ごした、昨日の夕餉の時に話した事を思い返していた。思い込んだら試練の道か、舟橋が昨日話したことを真に受けて気に病んでいなければ良いのだがと思ったが、いやしかし、まじめな舟橋故もしかしたら、あの味を再現してしまうのではないかという期待もあった。過度に期待をするのも気が引けるし、いつぞやか千葉にも言われた「尊敬をもって部下や他人に接するべし。」との意を酌んで、もとより年上の舟橋には無理をしてほしくない。気にするなと声をかけていたがその後どうなっただろうか。


どうにもならなかった。舟橋は、上杉勝興の前にひれ伏すと、この藩邸にかまどをひとつ新設出来ないかと相談しに来た。変なことを言わなければよかったと勝興は後悔したが、後悔は先に立たず。で、あるならば、提案通り自由に任せてやってもらうのも上に立つ者の極意と千葉の教えにもあったので、ここは任せてみようと舟橋には新たなお役目を与えることとした。名付けて「御膳方吟味役」。どうだろうか。


「舟橋。其方に、源田の料理を再び作る役目を申し付ける。我が藩邸の台所一角を用い、材料、火加減、器具に至るまで吟味せよ。これを我が藩の発展に繋げ、文化と健康の増進に寄与する役目、御膳方吟味役とする。」


「はっ、ご下命、謹んで申し受け…。御膳方吟味役でございますか。」


「うむ、要は、自由にやれということだ。源田の料理、存分に試すがよい。」


「ありがたき幸せ。では、かまどの他に鍋を一つ、作らせて頂いてもよろしゅうございますか。」


「好きにせい。ただし、無理をするな。そちに倒れられては某も困るのでな。」


では、これにてと御前を辞した舟橋だが、こんなに大きく任されるとは思ってもよらず、この期待に答えなければと意気揚々、藩邸にある台所に早速立ち寄り、お役目を果たそうとするが、気が早すぎて台所から摘み出された。舟橋よ、まずは落ち着け。


改めて午後。大任申し付けられた舟橋は、源田が扱っていた鍋にこの道の味と風味の鍵があるのではないかと思い立ち、記憶をたどる事にした。まずは、どういった感じで源田が鍋を持っていたか思い出すため、絵をしたためることにしたが、お玉にしか見えない。仕方がないので、同僚の香坂、蓼沼に相談することにした。ただ、必ずしも良い答えが返ってくるとは限らない。ドツボにはまることもあるということをすっぽし忘れて、これはいい思い付きだと奥方から持たされた弁当をかじり終えた後、藩邸を辞する。


「拙者、飯の事についてはよくわかりませぬ。」


うぅむ、役に立たん奴め。


舟橋は、肝心な時に良い知恵を出さないと憤慨したが、残念ながら答えられない方が当たり前で、当時の侍であれば、そんな飯炊きなどを多彩にこなすような者は貴重とされた。出来たとしても嗜み程度で、奥方のそれに比べれば、役立たずもいいところ。香坂らの言は至極まっとうなものであった。が、おさまらないのが舟橋某。とにかく何かの戦果を出さなければと躍起になっていたのも手伝って、ならばと思いつめた結果、禁断に手を染めてしまう。そう、自宅の台所を使う聖域への挑戦。


当時の台所で行われていた調理の手法として存在するのは、煮る焼く蒸すが中心であった。その為、舟橋が挑戦した、炒めるなどというものは、ゲテモノ以外の何物でもなく、そもそも、調理器具も未知のものを使わなければならない。ともかく、舟橋が作りたかったのは、あの時源田が出してくれた中華がゆであったのだが、源田が厨房で色々とやっていた鍋振りの印象が強すぎて、舟橋もそれに倣って粥を作ろうとした。小さめの米炊き釜を火にかけ、当時明かり油として貴重なごま油を塗り付け、煙が出た瞬間からまずは猪肉を細かく切ったものを放り込んでみた。その次にネギ。臭みが取れると思う。色どりが気になったので、溶き卵を放り込んでみたが、一瞬にして固まってしまったので、へらで砕いたら細かくなった。最後に冷や飯を放り込む。粥にするため出汁を掛けたが、量目がわからず控えめにした。だし汁は一瞬で蒸発し、その代わり、昆布の香ばし差が鼻を襲う。なおもとにかく炒め続けたが、どうにも粥にはならない。さらなる香り着けに醤油も掛けてみたが、これ以上やると焦げ付きそうなので、火から外して出来た粥もどきをどんぶりに盛ってみた。ふむ。試作一号、とにかく味を見てみようと袖をまくった瞬間、背後には某かの気配。武士の恥はさておいて、恐る恐る振り返ってみると、そこにいたのは最も知られたくない人、奥方と侍女共が困った顔を浮かべ、どんぶりを持つ舟橋の腕をつかんだのである。


「いや、粥を作りとうござった。」


ふやけているどころかいい感じに火が入った米は、舟橋の手によってほどよく炒されていた。手加減など知らない舟橋にとって、源田が昼飯と作っていた姿しか知識になく、全力火力で鍋を振っていた事がすなわち正義。ただ、唯一わかっていたのは、あまりに火をかけすぎると焦げて食えなくなる事ぐらいだったので、程よいところで火から離すことだった。鍋はどうやって振ったって?うむ、いい質問だ。へらを使ってひたすらかきまぜた。


自宅は座敷、一の間では、完全な下手人(現行犯)として捕縛された舟橋が座ってた。否、座らされていたが正しい。正しく正座で座らされていた舟橋は、屋敷の主人らしく一の間の上座、ではなく、一の間につながる二の間、しかも中央に座らされていた。御白州じゃなかっただけましで、来客があったときに使っている書院が付いた一の間に奥方が座り、二の間の脇を固めるのは、その日当番だった女中4人である。そして、下手人の前には、膳の上にどんぶり。盛られためし。ほどよく炒された舟橋の力作である。試作第一号ともいう。


「粥が欲しいなら、私共に一言声をかけてくれれば良かったのです。後で見てください。かまど周りは油だらけ。釜も油でギトギトです。」


「誠にすまん。ただ、おぬしらでは作れぬ粥を作ろうとしていた。殿たっての願いだ。お役目もいただいた手前、何もしないというのも忍ばれる。」


「貴重なお米をこんなにぱさぱさにしてしまって。もったいないとは思わないのですか。」


「いや、食えると思うが。多分。」


江戸時代の侍といえど、炒めたコメなど口にしたことはあるまい。少なくとも、この屋敷にはいなかった為、舟橋の作ったものは現代で云うゲテモノ料理以外何者でもなかった。が、香りと見た目だけは大層立派なものが出来ている。舟橋がひたすら炒した米は、いわゆる炒飯として出来上がっていたからだ。


ならば、あなたがまず初めに食してみてはよろしいのではと、圧をかけられた舟橋だが、源田の料理を見ていた手前、比較的すんなりと舟橋が口にしたため、そこは日本人、奥方女中ともども新しい料理に俄然興味が湧き始めた。各々方、匙を手にして一口。


「あら、おいしい。」


ほれみたことかと胸を張る舟橋。膳を囲む奥方と女中を尻目に、では拙者、これにてと場を辞そうとしたが、しっかりとつかまり、かまど周りの掃除をきっちりやらされたのは言うまでもない。


殿に献上する前に、すべて食われてしまった試作第一号だが、作り方と材料はしっかりと記録させてもらっていた。再現をするならいつでもできると思っていたが、作るにあたってあの重いかまどでは、思ったような物は作れないことを悟る。調理器具は重要である。

奥方や女中に頭を下げ、調理器具について聞いてみると、いわゆる中華鍋のような者は見たことがないと云われてしまった。やはり作らねば手に入らないと腹をくくると舟橋はその足で鍛冶屋に出かけたのである。兜をひっくり返して取っ手を着ければ鍋は出来上がるのではないか。それに合う五徳も作ってもらえれば、一石二鳥。請求は藩にしてもらえれば良し。比較的楽観的に鍛冶屋に向かった舟橋は、鍛冶職人に自分の思い浮かべる中華鍋を伝えるという最難関が控えているという事をころっと忘れて、足取り軽く屋敷を後にしたのである。


形を伝えるだけで1刻かかってしまった。浅すぎず深すぎずの物を作ってもらうのにこんなにも時間がかかるとは思ってもよらず、鍛冶職人の方も舟橋の奇想天外な注文に良く付き合ってくれたものでもある。麦茶だったが、2杯も出してもらえただけ忝く、職人側も面白そうだと行ってくれたのが唯一の救いであったが、五徳と一緒に作るのも、比較的時間がかかると云われてしまった。仕方がないのでその間、いかに油を手に入れるか考えるとしよう。


舟橋殿には困ったものだ。こっちは甲冑とかを作っている鍛冶屋であって、調理器具を作る道具屋じゃない。しかも、ごく薄く、軽く、丈夫に作ってくれなどと無茶難題を簡単に告げてくれよう。とにかく、薄い板を叩き出して、陣笠のように丸く作って、かつ取っ手を付けるって、殿さまからの願いもあるって聞くし、手を抜くわけにもいかない。面倒な仕事を押し付けられたもんだ。ただ、叩いて薄く作るのも強度的に大丈夫だろうか。平たい板よりも何か波のような形状のほうが強度がある。そうだ、、、。


制作に臨む両者の微妙な違いはさておき、一先ずの懸念材料であった道具については一応の解決を見た。ちゃんと作れていればであるが。では、両者のその後を見てみよう。まずは舟橋からである。が、ここで前編とさせてもらおう。さて、舟橋は思った通りの鍋を作ってもらえるのでしょうか。そして、すんなり油は手に入るのか。次回、乞うご期待。

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