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アニミ物語  作者: カボバ
冬祭り編
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12




「今年は何色にしようかしら。」


歩きながら西太后が呟いたのか問いかけたのかわからない言葉を呟く。




「今年も赤が立派ね。白も綺麗。でも緑や紫、オレンジも可愛らしいわ。ここ数年は変わった色、黒や青も捨てがたいわ。」



建物の手前、長いアーチには複数の株から伸びる蔦が絡みその枝先についた蕾は今にも開きそうなほど膨らんでいる。



「ねぇ、リリー。この花たちの中から1つ以外全て摘み取らなきゃ行けないとしたら、あなたはどれを選ぶ?」


アーチの中央で立ち止まり振り返ってそう問いかけられる。一瞬自分が呼ばれたと理解するまでに時間がかかった。




「どれも素晴らしい花なので私には選ぶことはできません。でも、もしひとつ聞いていただけるなら…。」


ふと目についた花の蕾に近寄りしゃがむ。



「今日ここで見たことを忘れないためにこちらを一輪いただけませんか?」


なぜそこで咲こうと思ったのか。


他の枝の流れから外れて今にも地面につきそうなほど伸びてしまってる枝の先に、3分咲きと言ったところか他の花よりも少し歪に開いてしまっているオレンジのバラの花を手で掬い上げる。





「どの花色にするかはご自身が目が覚めて最初に思い描いた色が1番素敵です。」


そう言うと少し間を開けて西太后が口を手で覆いながら小さく笑った。



「リリー、あなたすごく夢見るようなことを言うのね。」



(とりあえず、気分を害せず正解でも不正解でもないと言うところかな…。)


「クチナシ。」


西太后が少し声を張って呼びかければ、アーチの外からもう1人の女学生がやってきた。




「あの花をリリーにあげてちょうだい。それから、祭りの準備の説明をしてあげて。」


「わかりました。」


クチナシはそう言うとどこから取り出したのか、花切りはさみを取り出しバラの枝を切り紙を巻いて手わたしてきた。



「ありがとうございます。」


「2人ともこちらへ。」


そう言って建物の中の一室に通される。




そして、改めて祭りの説明と貸出品の申請方法。


花姫候補たちへの対応のしかたなどを丁寧に教わった。





「結局、なんだったんですかね?」


バラ殿を出て少し距離はあるが歩いて帰れる距離だったので、そのまま姉さんを伴って帰宅。



いつもより早い帰宅に驚いた彼女だったが、すぐに嬉しそうにお茶の準備を始めた。




「私にわかるわけないわ。」


姉さんが彼女の出してくれたお茶を飲みながら答える。




「ミリアはなんであの時答えたの?」


「どれがいい?って聞く人のほとんどは意見を求めているのであって答えを求めているわけではない。ってやつですよ。」


どれがいいと聞かれた時、どっちも良いどっちも嫌は1番言ってはいけない答え。


次に自分の意見だけを言うのは相手を否定することになりかねない。



その場合正解でもなく不正解でもないところを狙うならば自分の意見を言いつつ相手の意見を引き出す。



「と何かで読んだ気がするんですよね。」


「あんた、とっさにかなりの博打した自覚ある?」


勝ってとんとん、負けたら身ぐるみ剥がされるでは済まない博打だ。



「目上飛び越えて天上の人たちと話すことが最近多過ぎて博打と逃げを繰り返し過ぎました。」


勝ちもせず負けもしないやり方がいつまで続くだろうか。



「逃げ8割にしときなさいね。」


「そうするために逃げの手段を作りましょう。」



手招きして彼女を呼んだ。




「お願いしたいことがあるんだけど、いいかな?」


彼女に1つ2つお願いをする。


家のことではないので断られるかと思ったが、彼女は笑顔で了承した。



彼女が嬉しそうにキッチンへ戻っていくのを見届けて、さらに細かいところを姉さんと話し必要な物の貸し出しに関しての書類を書いていく。



「この書類は私が責任を持って明日出してくるわ。それから午後は買い出しに行きましょう。」


迎えにいくから待っててねと言われ、そういえばと思い出す。




「そういえば、先輩にと今週会ってないんですけど大丈夫かな?」


コウヤに聞いたところによると暖炉の火に攫われたあとバタバタ先生を呼んで状況を説明したりなどと騒ぎになったところにいつものように迎えにやって来たが、ノオギと二言ほど話したあとすぐに帰っていったらしい。




「あぁ、そういえばミリアは知らないんだったわね。」


姉さんがほとんどため息のような言葉を出した。




「バラ姫様と先輩はね、とっても仲が悪いの。」


と言ってもバラ姫様が一方的に嫌ってるだけなんだけど。と付け足す。



「だから先輩は必要以上に花園に関わらないの、昨日、私のところに来て任せたって言われたわ。」


「私の知らないところで話がまとまっててよかったです。」


変なところで地雷を踏まなくてよかったと少しだけ安心する。



「先輩は会ったら間髪いれず刺されるくらい嫌われてて、私は顔を見たら眉間に皺よせられるくらいの嫌われ方されてるわよ。」


「そんなに嫌われるって先輩たちに何があったんですか?」


聞いて良いのか悩んで踏みとどまっていたが、思わず口から出てしまった。



「先輩とバラ姫様は昔からいろいろあったらしいけど、決定的になったのは私が入学したあとからね。」


そこまで言って姉さんの言葉が止まった。






悪い人ではないんやで…(作者、心の叫び 1日ぶり2度目)


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