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アニミ物語  作者: カボバ
冬祭り編
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8







その時、部屋中に何か焦げたような臭いが広がった。


一瞬後ろの暖炉で何かが燃えているのかと思い振り返ったが、暖炉の火はすっかり落ち着いていて臭いの原因はそこではないことがわかった。




「ホズミ、意見があるなら自分の口で言いなさい。」


先ほどカトレアと呼ばれた女子生徒が隣の女子生徒にそう言う。



その女子生徒は膝の上で何かを抱えるようにしながらうつむいていた。




「…なんでもありません。」


絞り出すような声でそう答える声は、誰が聞いても何か含みがあることがわかった。



「それでは、本日は解散しましょう。皆様、準備は抜かりなく。今年も美しい祭りにしましょう。」


そう言うと1番奥に座っていた女子生徒が退室し、続けてその左右に座っている女子生徒から順番に退出していった。







「とうとう巻き込まれたね。」


「アズハも頑張ってたのにね。」


他の女子生徒が退室していく中、最後まで残っていた2人が話し出した。




「本当にいつかは強行手段に出ると思ってたけど、こんな形で私ごと巻き取られるとは思わなかったわ。」


姉さんが頭を抱えながらそういう。




「まぁ、2人とも座りなさいな。」


「こっちにいらっしゃいな。」


2人に腕を引っ張られて椅子に座らせられる。



(全く同じ顔…。違うのは髪飾りか…。)


「私はシモミ、よろしくね。」


「私はチヨミ、私たちアズハのクラスメイト。」


右にシモミと名乗った緑の髪飾りをつけた女子生徒、左にチヨミと名乗った青の髪飾りを付けた女子生徒。


そしてチヨミのとなりにアズハが座る。




「ミリア大丈夫よ。おかしな双子だけど、悪い奴じゃないわ。」



「アズハひどい。」


「偏見を教えるのは反対。」


アズハの発言に異論を唱えながら両方から抱きしめられる。



「ミリアです。何が起こってるのか全然わかってないですけど、よろしくお願いします。」



「あら、可愛い。」


「受け入れちゃうところもかわいい。」


ひと通り撫で回されたあとやっと解放された。



「アズハも花園としては初参加になるから、簡単に説明してあげましょう。」


「そうしましょう。」


2人がそう言うとそれぞれ袖口から何かを取り出した。




「私たちのティーはこの杖。」


「私は氷を彼女は樹を生み出す。」


2人の手首から肘までとおおよそ同じ長さの杖を手にして、まるで指揮をするように振りながら話し始める。



「冬祭りは毎年雪が降り始める11月の中頃に開催されるわ。」


「今年は11月18日から5日間よ。」


「その週は授業は午前中だけ。祭り期間中はどの街も賑やかになるわ。」


「その期間中に冬の準備をしましょうって言うのが、学園側の意思よ。」


つまり祭りと称して冬に必要なものを買い揃えたり準備したりする期間でもあるわけだ。




「それとは別に花園では12の街に12の神殿を構えてお客様をおもてなしするの。」


「おもてなしと言っても来た学生や大人たちにお土産をわたすだけよ。」


「ほとんどお手伝いの花姫候補たちがやってくれるから気にしなくていいわ。」


「私たちは神殿の奥に居てもいいし居なくてもいいの。」


色々わからない言葉が出てきて、そろそろ頭がパンクしそうだ。




「花姫候補っていうのは女子生徒の中から募集に応募した子たちを祭り期間中はそう呼ぶの。簡単に言えばアルバイトよ。」


姉さんが付け加えてくれた。




「可愛い服も着れるし色んな生徒との出会いもあるから人気の高いアルバイトだよ。」


「割がいいとかなんとかで毎年応募者多数らしいよ。」


「「やったことないから、知らないけど。」」


2人がにっこりと笑いながらそういった。




「あなたたち2人も入学してからずっと花姫だものね。」


「アズハも入学した頃は可愛かったのに。」


「花姫にも熱望されてたのに。」


2人のその言葉に姉さんの顔が引きつる。




「未遂だし、思い出させないで…。先輩が助けてくれなかったらあのままずっと花姫だったかと思うと…。」


アズハが再び頭を抱える。


どうやら思い出したくもない真っ黒な過去のようだ。



「あれは面白かったね。」


「面白かったね。特に今の西太后が烈火の如く怒り狂ってたのが。」






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