ジュナに驚きは三つ来る!
「でねー? そしたら詩惟花ちゃん……」
「あっ、ダメだよジュナちゃん! それはぜったい秘密ー!」
お屋敷の客間は、きゃいきゃいと明るい声で溢れていました。
ジュナと詩惟花、クトアとイタク。そしてお屋敷のお嬢様、麻子。
長いテーブルを境に、女子達のお話が盛り上がります。
「あ、きたわね」
そんな折、トントンと厚い扉がノックされました。
「もしかしてお菓子!?」
「ふふっ。そうよ。さっきルラァ―に言いつけたの」
「こらクトア。あなたが負けたのだから、クトアが取ってくるべきです」
「いいじゃない! 男は使い魔! 弟は奴隷! 初めからルラァ―に拒否権はないのよ!」
「なんてことを……」
あまりの言い草にイタクがショックを受けていると、再び扉がトントントン。
「あ。開けられないのかな?」
「五人分頼んだからね~。ジュースとお菓子」
「それはムチャよ」
詩惟花と麻子が腰を浮かせて立とうとしますが、近い席に座っていたジュナが一歩リード。
「はいはーい。今開け……うわぁっ!?」
がちゃり、と扉を開いたその時、ジュナの悲鳴がこだましました。
「な、なになに!? どうしたのよ!?」
「敵ですか!?」
慌てて立ち上がるクトアとイタク。しかし……。
「た、た、た、た、タカハルだぁ~~~~~~!?」
「おう」
「おう、じゃな~~~~~~~い! なんでここにいるの!?」
ジュナが口をぱくぱくぱく。あんぐり開けた口はなかなか戻りません。
「なんでって……。遊びに来たからだよ」
「えぇっ!? まさかタカハル……うそっ! 信じらんない!」
「なに言ってんだお前は」
「ぐぇっ」
タカハルは器用に、複数人分のお菓子を乗せたお盆の底で、ジュナの頭をゴチリ。
「ルラァ―に誘われたからに決まってんだろ」
「そ、それも信じらんな~~~~~~~い!!」
二段構えの驚きに、さすがのジュナもビックリ仰天。
「る、ルラァ―って……お友達が!?」
「いるよ。いるにきまってるだろ。バカにしているのか。きゅうけ……ジュナ」
頬に手を当てて絵画同然に驚いていると、タカハルの後ろからルラァ―がひょっこり。
「お菓子持ってきた。量が多いからタカハルに頼んだんだ」
「ご、ごめんねタカハル。重かったでしょ?」
「こんくらいで重いとかあるか。ほら、テーブルまで運んでやるから、道開けろよ」
「う、うん」
ジュナはそう言われると、素直に道を譲りました。
「タカハル! 悪いわね!」
「いえ。大丈夫……あれ? どこかでお会いしましたっけ」
「ああ、そこの赤髪はちょっと頭がおかしいのです。放っておいて構いませんよ」
「なぁっ!? イタクっ!? それかなりひどくない!?」
「ま、まぁまぁ」
「落ち着いてお姉様方」
タカハルが通り、ルラァ―も過ぎたころ、ジュナも客間に戻ります。
そして、ちょいちょいと。ジュナはルラァ―の学生服を引きました。
「なんだ? き……ジュナ」
「えっと、ひとつ聞きたいんだけど」
「ひとつでいいのか」
「ホントはもっと聞きたいんだけど!」
ジュナはパタパタ腕を振るうと、改めてルラァ―に問いかけました。
「タカハルの頭に……。なんでネコミミがついてるの?」
ジュナとルラァ―の視線の先には。
短髪の黒髪に真っ黒なネコミミを生やした、不愛想なタカハルの姿がありました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「今年寅年! がおー!」
クトア:「あら。かわいいじゃない。でもわたしは炎を司る神。果たして勝てるかしら?」
ジュナ:「ええー! 動物と神様じゃ違い過ぎるよ~!」
詩惟花:「こりゃもう逃げタイガー。……なんちゃって。ぷふふっ!」
ジュナ:「え?」
クトア:「ダメよジュナ。聞いたら凍るわ。このわたしの火でさえも」




