ジュナたちが盛り上がる、そのすぐ隣で…!
「ただいまー」
すっかり夕暮れの頃、ルラァ―が扉を開けて帰宅しました。
「さ、あがれよ」
「お、お邪魔します」
きっちりと着込んだ学生服の首元を開き、息を吐くルラァ―の後ろからは、タカハルが恐る恐ると言った体でお屋敷に顔を出しました。
「お前ん家……スゲーな」
「そうか。まぁ、正確にはボクの家じゃないが」
広い玄関に置かれた、花瓶の置かれた台。
その空きスペースへ無造作に鞄を置いたルラァ―は、ふと隣室から声が聞えることに気づきました。
「なんだ? 客が来ているのか」
「へぇ。さすがだな。よく来るのか?」
「いや、そんなことは……」
記憶にある限り、ルラァ―がここに来てからは初めてのこと。
確かに阿久家の大黒柱は業界でも有名なようですが、今は外に出ていて不在。
「あれ。クトア姉さんの声」
扉の向こうから、ハリのある声が響いてきました。
最近お姉ちゃん呼びを卒業したルラァ―が声に気づくと、今度は麻子の声も聞こえます。
「何人いるんだ? 姦しいな」
「なぁ。悪いけど水あるか? 喉渇いちまった」
「あぁ。すまない。案内を――」
と、タカハルの声に反応したところで、客室の扉がバン! と開きました。
「わっ」
「あらルラァ―。帰ってたの」
「ただいま。姉さ……あ?」
出てきたのは、ルラァ―の姉のひとり。クトア。
しかしその頭にかぶったものを見て、ルラァ―はポカンと口を開けてしまいました。
「姉さん、それなに?」
「あぁ、これ? ネコミミ」
「ねこ、みみ……?」
知らないの? というクトアは、腰に手を当てて胸を張ると、赤い髪をくゆらせながら顎をツンと上向かせました。
「ネコミミったらネコミミよ。弟ながら勉強不足ね。あ、ちょうどいいわ。お菓子もってきて。あとジュースも五人前よろしく」
「えぇ……」
「嫌なの? あっ。お友達……――っ!」
唐突な使い走りにルラァ―が思わず顔を引くと、それを反抗と捉えたクトアがずいっと顔を近づけて圧を送ります。しかしふと後方に佇む男子学生を見つけた途端、クトアはパッとネコミミを取り、さっと客間へバックステップ。
「な、なによ! いるならいるっていいなさいよね! ルラァ―! 早く持ってきなさい! これは命令よ!」
言うが早いか、クトアはバタン! と客室の扉を閉めてしまいました。
「お姉ちゃん……。横暴だよぉ……」
「ルラァ―」
ルラァ―のがっくり落とした肩に、近づいたタカハルがポンと手を置きます。
(しまった。お姉ちゃん呼びが……!)
「お前の姉ちゃん、すげーステップだったな。なんかやってんのか?」
「あぁ。いや、無意識だと思う……」
「へぇー。センスあるな。あれならバリバリのアウトボクサーになれるぜ」
「……もういいか? 水取ってくるよ」
「え? おう、悪いな」
げんなりしたルラァ―は断りを入れると、タカハルと五人のためにお菓子と飲み物を持ちに向かいました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「新年、あけましておめでとうございます!」
未来可:「今年も、どうぞよろしくお願いいたしますー」
ジュナ:「あれっ。詩惟花ちゃんじゃない!」
未来可:「ふっふっふー。詩惟花は今、お雑煮の食べ過ぎでまるまる転がっているのだ」
詩惟花:「ちょっとー! おねえちゃーん!」
未来可:「あっ。来ちゃった。てへへ」
詩惟花:「てへへじゃないよー! ジュナちゃん、わたし太ってないから!」
ジュナ:「う、うん。みればわかるよ。大丈夫大丈夫」




