ジュナの気だるげな朝模様!
「おはよぉ~」
「あ、ジュナちゃん。おはよう」
カラカラと教室の扉を開けたジュナを、詩惟花の声がお出迎えしました。
「ってどうしたのジュナちゃん。顔がコケてるよ」
「んぅ~。昨日おかあさんにビシバシしごかれた……」
ヨタヨタとよろめきながら歩くジュナは、ランドセルを机に降ろすとその上にぐったり。
「門限は破っちゃダメだよ、詩惟花ちゃん……」
「う、うん。あ、昨日の惚れ薬、どうだった?」
「あー。あれね。うん。効果あったよ。主にわたしに……」
ジュナが昨日の顛末を詩惟花に言って聞かせます。
未来可からも話は聞いていたようですが、詩惟花はコクコクと首を縦に、ジュナの話に耳を傾けました。
「そうかぁ。惚れ『られ』薬になっちゃったかぁ」
「タカハルの顔、すっっっごくイケメンになっちゃったよ! 詩惟花ちゃんにも見せてあげたかったなぁ」
「ま、またいつか見れるといいね?」
「ほあぁ。夢に出てきたタカハルもカッコ良かった……」
どうやらジュナの寝不足は、ジュリアのしごきだけが原因ではないようです。
「ジュナちゃんは本当にタカハルさんのことが好きなんだねぇ」
「好きだよ~。だってタカハル、カッコいいもん」
どうも頭が回っていないのか、いつもなら照れ気味に否定する言葉も素直に返してしまう始末。
「でも意外と敵が多いのだ……」
「敵?」
「あら。木由良戸さん。今日は元気がないのね!」
「出た~。阿久 麻子……」
「悪魔じゃない! 阿久 麻子っ! ……ってあれ? 合ってるじゃない」
「なにようなの悪魔~」
「こらぁ! 今せっかく合ってたのに! わざわざ間違えることないじゃない!」
麻子は金髪に角を生やすが如く、プリプリと元気に怒りました。
「麻子~。麻子の家に居候が来たって話、本当?」
「ほ、本当よ。嘘じゃないわ。誓って真実よ」
「誰もそこまで言ってないっていうか……」
「外国の、遠い、遠~い国からの親戚よ! ルラァ―お兄様にクトアお姉様! イタクお姉様! みんなイケメンアンド美人なんだから!」
そこまで言うと麻子は、手のひらを口元に添え、お嬢様の如く高笑いを始めました。
「そう。そういう設定なんだね……」
「設定って何よ! それじゃあわたしの妄想みたいじゃない!」
「あ~。ううん。こっちの話」
ジュナは頭をふりふり、遠い目をして話を飲み込みました。
「ジュナちゃん、会ってみたいね。その海外からの人達」
「あら? 紆異智さん、興味があるの? 仕方ないわね。特別にわたしの家へ、招待してあげるわ!」
「え。ええ? い、いいの?」
「なにをそんなに戸惑っているのよ。わたしがいいって言ってるんだから、いいに決まってるじゃない!」
麻子はそういうと、先程より一段と高い声を張り上げてお嬢様笑いを決め込みました。
「ジュ、ジュナちゃんも一緒に……来てくれるよね?」
「んあ~~~~~~」
麻子の得意げな雰囲気に、剛堂くんも平太くんも思わず振り向いて注目しています。
詩惟花は真っ赤になりながら、隣で気だるげに突っ伏せるジュナへ、同行という名の救いを求めるのでした。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「麻子の家、大きいよ~」
詩惟花:「えっ。そんなに?」
ジュナ:「外国の洋館をまるごと持ってきたような家だから、街の中でも有名なの」
麻子:「お~~~~~~~~~~っほっほっほ! 聞きまして紆異智さん! 木由良戸さんがそういうほどウチの家は立派なのよ!」
ジュナ:「まぁ、麻子があんな感じだから、みんなあんまりいかないんだけどね~」
詩惟花:「ははぁ……。ちょっと納得……」




