ジュナ待望の惚れ薬! (8) 【邪神、この時空に帰化しました!】
「しかし、見ていてもどうにもならないな」
アンブレラから名前を訂正されたルラァ―は、取り直すように言いました。
「直に確かめてくる」
「直に?」
「実際、触れれば何か掴めるかもしれない」
目をぱちくりさせるアンブレラを置いて、ルラァ―は繁みの中から足を踏み出しました。
「タカハル」
「ん? おっ。阿久じゃん。どうした、こんなところで」
「えっ?」
声をかけれらたタカハルは、振り向きながらルラァ―に応じました。
それを見たジュナはキョトン顔。
突然現れたルラァ―とタカハルを交互に見つめ始めました。
「阿久って……」
「なんだ、知り合いか?」
「う、ううん。っていうか、知ってはいるんだけど……」
ジュナが戸惑っていると、スタスタと足を進めて近寄ってきたルラァーは、こほんと咳払いしながら立ち止まりました。
「初めまして。小学生のお嬢さん。僕は阿久 ルラァ―。この度、海外より来日して、日本の親戚のもとで厄介になることになった。よろしく頼む」
「は、え。ええ……?」
胸を張り、腕を背中に回しながら、ルラァ―が改まって挨拶を述べました。
そんなルラァ―の行動にジュナは更に目を白黒。困惑しきりな様子を見かねたのか、未来可がジュナの肩をポンポンと叩いて注意を引きました。
「ジュナちゃんジュナちゃん。ちょっと」
「未来可?」
「じつは……。ごにょごにょ」
「うん。うん……。えー!? 世界にもがっ……!」
「わっ! しー! しー! ストップストップ!」
思わず叫びそうになったジュナを、未来可の手が塞ぎます。
「ジュナ、どうかしたか?」
「う、ううん! なんでもないなんでもない! アハハ!」
(ウッソー! ルラァ―って未来可と同じ学校に通ってるの!?)
(知らなかったんだ……。てっきり知ってるものと……)
(知らなーい! 全然知らないよぉー!)
ぷはっ! と未来可の手から解放されたジュナですが、まだ信じられないようでルラァ―の顔をじっくり凝視。
一方のルラァ―は居心地が悪いらしく、手を口元に添えると、一際大きな咳払い。
「とにかく、よろしく頼む」
「あ、阿久ってことは……。もしかして阿久 麻子の家に居候してるの?」
「そうだ。たしか麻子とは同級生だったな。僕は昔、彼女とよく遊んだものだ……」
(そういう設定だから、早く飲み込んでくれ)
(わっ! そういえばルラァ―も念話できたんだった!)
ルラァ―が取ってつけたような昔話を淡々と語る裏で、ルラァ―はジュナへ理解を促すのでした。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「そういえば少し前に、麻子が教室で自慢してたような……?」
ルラァ―:「なんだ、覚えてないのか? 麻子のことだから、声を大きくして話したと思うが」
ジュナ:「んん~。その時たしか詩惟花ちゃんが発光しながら教室に来たからあやふやになったんだっけ」
ルラァ―:「なんだそれは……。この世界は大丈夫なのか……?」




