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吸血鬼は小学生!  作者: zig
第五章 戦いの場所は夜空ノムコウ!
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ジュナ待望の惚れ薬! (6) 【ルラァ―は見た! タカハルのあごクイっ!】

 「あ、ありがとうタカハルくん……」

 「べつに。当然だろ」

 転びそうになった未来可は、そっとタカハルから離れました。

 珍しくうつむく顔には、照れの朱色。

 サラサラと流れる黒髪を揺らしながら、未来可はタカハルにはにかみました。

 (ひゃーーーーーーーーー! ギュってしてもらっちゃった!!!)

 (こら未来可ーーーーーー!!!)

 そんな未来可がちらと目を配ると、怒り心頭のジュナの頬。

 金髪は揺らめき、どこか逆立っているようにさえ見えてしまいます。

 (タカハルに近づくなんてぇ!!)

 (ん? べつにタカハルくんは誰のものでもないし)

 (んなろー! 未来可ぁー!)

 「あうっ!?」

 「どうした? ジュナ」

 タカハルは、ジュナの声に振り返りました。

 今までメラメラと炎を燃やしていたジュナは、ギュッと瞼をつぶっています。

 「目にゴミが……」

 「大丈夫か?」

 「んん……」

 右目に手を添えながら、ジュナがふるふると首を振ります。

 「見せてみ」

 「んうー」

 「あっ。こらっ」

 タカハルが覗き込もうとすると、ジュナは首を引き、顔を地面に向けてしまいました。

 「ジッとしてろよ。見えないだろ」

 「痛いもん。やだっ」

 「おいおい」

 まるで泣いているかのようにぐずるジュナを見て、タカハルはため息ひとつ。

 「見せてみろって」

 「あっ」

 そんなジュナの様子に業を煮やしたのか、タカハルはジュナの小さな顎に指を添え、そっと持ち上げました。

 (キュンっ……!)

 (あーーーーーーーーーー!!!! ジュナちゃん!!!!!)

 その様子は、世にいう『あごクイ』そのもの。

 (や……。やったー! タカハルの『あごクイ』ゲットぉ!)

 ジュナはタカハルの瞳に覗き込まれながら、胸をトキトキときめかせます。

 (ずるーい! ずるいぞジュナちゃん!!)

 (ズルくなーい! ふあ……。タカハルの顔ちかいっ……!)

 (こらこらこらこらー! 離れなさーい!)

 夕陽の公園が暮れなずむにつれ、少女たちの水面下バトルは激しくなるばかり。

 「ふむ……。あれは何をしているんだ」

 「タカハルという少年で、一喜一憂しているのですねぇ」

 そんな様子を離れた場所から見つめる少年がひとり。

 ルラァ―はタカハルと同じ学生服に包んだ身を木陰に寄せながら、アンブレラの言葉に疑問符を浮かべるのでした。

~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~


アンブレラ:「ところでルラァ―殿は、ここで何をしておられるのですか?」

ルラァー:「見ればわかるだろう。吸血鬼の従者」

アンブレラ:「まったくわからないのですが……。はっ!? もしやジュナ様を狙って!?」

ルラァ―:「違うな。違うぞ吸血鬼の従者。僕はそんなことを考えていない」

アンブレラ:「そうですか。ところで」

ルラァ―:「なんだ? 吸血鬼の従者」

アンブレラ:「毎回、私のことを『吸血鬼の従者』と呼ばれるおつもりですか?」

ルラァー:「……。面倒だな。確かに」

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[一言] タカハル争奪戦。ルラァーには分からない?
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