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吸血鬼は小学生!  作者: zig
第五章 戦いの場所は夜空ノムコウ!
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ジュナ待望の惚れ薬! (3) 【あっ! タカハルが食べちゃった!】

 「はー、はー。す、すごかった……」

 サングラスをかける詩惟花の瞳を覗いたジュナは、自分の胸に手を当てながら息も荒く呟きました。

 ジュナの小さな心臓がまだドキドキと言っています。顔が火照り、落ち着かない気分のまま、ジュナは惚れ薬の効果をその身で実感しました。

 「だ、大丈夫ジュナちゃん? だから言ったじゃない」

 「うう。で、でも、この薬あるんだよね!? これならタカハルもびっくり間違いなしだよ!」

 「う、うん。まぁ、一応作ってきたけど……」

 そう言うと詩惟花は、ポケットの中から銀色の包み紙を取り出しました。

 「これ?」

 「これだよ。はい。あげる」

 「あ、ありがと~」

 詩惟花の手から渡された包み紙を、ジュナは両手を揃えて受け取りました。

 見た目の通り軽いそれは、まるで小さなお菓子のよう。

 「外見はチョコと一緒だから、食べるときに躊躇とかはしないと思うよ」

 「これ、食べればいいの?」

 「うん。食べた人は、くれた人を好きになる」

 ……はず。と、心もとなく付け足した言葉を、ジュナは全く聞いていませんでした。




 「これが惚れ薬かぁ~」

 学校が終わり、夕方。

 夕暮れ迫る時間に、ジュナはひとりブランコに腰を降ろしながら、しげしげと包み紙を見つめていました。

 「魔力も感じないし……。匂いもふつうだな~」

 母親譲りの整った鼻先を近づけて、ふんふんと匂いを嗅いでみます。

 が、銀紙に守られているせいか殆どわかりません。微かに甘い香りがするばかり。

 「ふしぎ~」

 「おい。ジュナ」

 「わっ!!」

 そんな折、背後から声が掛けられました。

 「タカハルっ! おどかさないでよっ!」

 「いや、何度も声かけたって」

 ブランコからパッと降り立ったジュナは、振り返るとタカハルに大声。

 タカハルは三白眼の瞳を瞬くと、鼻筋に貼ったトレードマークの絆創膏を夕陽に照らしながら、ぽりぽりと頬を掻きました。

 「で、なんだそれ」

 「あ。コレ? 詩惟花ちゃんにもらったの」

 「ふーん」

 タカハルが指さすものを、ジュナは手のひらに乗せて見せました。

 包み紙は、キラキラと輝いています。優しい夕日を受ける包装紙は、さながら宝石のよう。

 「もらいっ」

 「あっ! タカハルぅ!」

 そんな宝石をパッと掴み取ったタカハルは、ぷいっとあらぬ方向を向きながら、パクっと中身を食べてしまいました。

 「あー! あー! あー!」

 「なんだよ」

 「だって!!」

 「いいだろべつに。お前もいくつか食べ――」

 食べてたんだろ、と言い切る前に、タカハルは口をつぐみました。

 「んっ!?」

 「あっ!? 大丈夫!?」

 そして、顔をしかめたかと思うと。

 タカハルの身体から一瞬、オレンジ色の輝きがパッと溢れました。

~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~


アンブレラ:「ジュナ様を待つ間、さすがに退屈ですね……。ウトウト」


アンブレラ:「……はっ!? ジュナ様!? もう学校にいない! いずこへ~!?」

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― 新着の感想 ―
[一言] タカハルくん。やっちゃいましたねー。
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