ジュナ待望の惚れ薬! (2) 【サングラスの向こうはドキドキ!】
「どーしたの詩惟花ちゃん! その恰好!」
ひと目で怪しいとわかる服装を見たジュナが、目に涙を溜めながら詩惟花に問いかけます。
詩惟花はガクガクと揺らされ、目を回しながら答えました。
「お、お、落ち着いてジュナちゃん。火傷とかそういうのじゃないから!」
「じゃ、じゃあどうして!」
「なにしてるのよ木由良戸さん! 朝からうるさいわよ!」
「あっ! 悪魔!」
「阿久 麻子よ!! 阿久 麻子っ!!」
まだ静けさが残る教室で叫ぶジュナを咎めるよう、険しい視線の阿久 麻子が近くに立って腕組みをしていました。
「だって! 詩惟花ちゃんが!」
「紆異智さんが、どうかしたの?」
「えっ?」
ジュナが泣きつくように叫びますが、麻子はきょとんとするばかり。
一度は詩惟花の方を見ますが、何ともないように視線をジュナへ戻しました。
「なんともないじゃない」
「うそ……。まさかまた時空間が歪んで……」
「大丈夫だよジュナちゃん。麻子さん、ごめんなさい。なんでもないの」
「そう? まぁ、静かにしてくれるなら、それでいいけど……」
ジュナの態度に首を傾げながら、詩惟花の言葉を受け取った麻子は自分の机へ戻ってしまいました。
「どういうこと? 詩惟花ちゃん」
「あのね、今ね、認識阻害の魔法をかけてるから」
「あっ。そっか! だからみんなには見えないんだ!」
「そうそう。そういうことなの」
お母さんにかけてもらったの、という詩惟花の顔を、ジュナはまじまじと見つめました。
「でも、どうして? 全然肌が見えないけど……」
「うん。実はね、惚れ薬を作ってる最中に失敗しちゃって」
「ええ~? 大丈夫なの?」
「うん。大丈夫……なんだけど。さすがに直接見られると効果が出ちゃうから、隠してるの」
言いながら、詩惟花は頬をぽりぽり。
しかしサングラスと包帯で表情がわかりません。ジュナは戸惑うばかり。
「ね、ちょっと見せてもらっちゃダメかな?」
「だ、ダメだよ! 見たらジュナちゃん、惚れちゃうよ!」
「え~! そう言われると気になっちゃう! ね! 少しだけ! おねが~い!」
「じゃ、じゃあ、ちょっとだけだよ……?」
両手を胸の前で握ったジュナがぴょんぴょん跳ねながら頼むと、詩惟花はしぶしぶ了解。
右指をサングラスのふちに掛け、いよいよという最中。
詩惟花は決めるように呟きました。
「……わたしの瞳を見たら、惚れるぜ。ジュナちゃん」
「だれ」
そんな会話を交わしながら、サングラスがスッと下がり、隙間から詩惟花の瞳が覗きます。
(う、うわっ! うわぁぁぁぁぁぁ!)
たった少し覗くだけの、僅かな流し目。
しかし確かに見たジュナは、瞬間、心臓の高鳴りが抑えられなくなりました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
阿久 麻子:「ちょっとぉぉぉぉ!」
ジュナ:「わぁビックリした! なになに!?」
麻子:「しばらくぶりに登場したらこれだけ!? たったこれだけなの!?」
ジュナ:「しょーがないじゃん。十五分で書ける分量には限りがあるの!」
麻子:「そんなメタな事情なんか知らないわよ! もっと活躍させなさい! 地獄に落とすわよ!?」
ジュナ:「そんなに脅してもだめ~。ぶっぶ~」
麻子:「子供かっ!」
ジュナ:「こどもだ!」
詩惟花:「コモド……ぷふっ」
ジュナ:「今なんて? 詩惟花ちゃん」




