ジュナ待望の惚れ薬! (1) 【詩惟花、久々の登校!】
「おはよ~」
「おはよう、ジュナちゃん!」
眩しい教室に、挨拶を交わす声が響きます。
赤いランドセルを背中から机に移したジュナは、隣の席を見つめました。
(詩惟花ちゃん、今日もお休みかなぁ……)
ジュナは心の中で思うと、寂しそうに仕舞われたままの席を見つめました。
席の主は、絶賛お休み中。
今日で三日目になろうという現在、ジュナは詩惟花のことを想っていました。
(まだ魔法の修行、終わらないのかなぁ)
周囲には風邪をひいて寝込んでいる、と伝えていますが、本当のところを知っているジュナはぼんやりと数日前を思い浮かべました。
『――――修行があるから、数日こられないの!』
『えっ。しゅぎょ~?』
だからお休みの間、ノートをお願い! と両手を合わせる詩惟花を、ジュナはぱちくりと見つめました。
『魔女の修行、今度は薬を作るんだけど、これがすごく時間がかかるの!』
『そうなんだ。どのくらい?』
『うう~ん。わかんないけど……。もしかしたら一週間くらい?』
『ええ~! そんなに!?』
詩惟花の話によれば、今度は惚れ薬を作るとのこと。
それを聞いたジュナは瞳をキラキラさせました。
『詩惟花ちゃん! それ、完成したらちょうだい!』
『えっ? いいけど……』
『ふっふっふ。タカハルがわたしに惚れ込んでる姿を撮影して、あとで突きつけちゃう! きっと驚くぞ~!』
『ジュ、ジュナちゃん。イタズラもほどほどにね……?』
おどかそうとしても驚かず、なかなか手強いタカハルへの新たな一手。
完成の時をワクワクと楽しみにしていたジュナでしたが、詩惟花がなかなか来ないとなると心配になってきました。
(一週間くらいかかるかもって聞いてはいるけど……)
「あっ。詩惟花ちゃんだ。おはよー」
「えっ?」
今日あたりお家に伺ってみようか、と考えていたジュナでしたが、クラスメイトの声に反応してぴょこんと顔を上げました。
「詩惟花――うわぁぁぁ!?」
「あっ。ジュナちゃん。おはよー」
一見驚嘆するジュナの目の前で、詩惟花は何ということもなく片手を上げて挨拶しました。
「ど、ど、ど、ど……!」
「あ、宮沢賢治? 今日の国語――」
「どーしたの詩惟花ちゃん、その姿ー!」
「は、はわわわわわわ~! 揺らさないでジュナちゃん~!」
驚いたジュナは、一転詩惟花の肩をつかむとガクガク揺らします。
問題の詩惟花は、服装こそスカートに長袖のシャツと普通でしたが、首から上をグルグルと包帯で巻いた上にサングラスをかけ、そしてなぜかツバの広い日よけ帽子を被っていました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「な、な、なになになぜなぜ~!? どーしたの詩惟花ちゃーん!」
詩惟花:「お、おち、おちついてジュナちゃ……! くび! 首が飛んでっちゃう!」
ジュナ:「魔女の修行がそんなに大変だとは思わなかったよぉ~! 様子見に行かなくてごめ~ん!」
詩惟花:「い、いいからガクガクやめっ……。あっ……」
ジュナ:「わ~~~~~ん! 詩惟花ちゃんが気絶したぁ~~~~~~!」




