ジュナ! Go ahead!
「それじゃ、いくぜ!」
バイクにまたがり、エンジンを始動させた衣桜が、ゴーグルを目元に降ろしながら叫びました。
瞳に光を宿したV-ライガーが、けたたましい音を響かせて足に力を込めます。獣の唸り声にも似た、走り出す前の緊張感を、衣桜の後ろに座ったジュナは全身で感じていました。
「ジュナ! 準備はいいか!」
「うん!」
「よぉし! じゃあ手筈通りだ!」
衣桜の号令に合わせて、ジュナは瞳を閉じ、精神を集中させました。
(待ってて、未来可。今、会いに行くから!)
「ナルキニ!」
ギュッと衣桜の腰を抱き締めながら、ジュナが呪文を唱えます。
母親のジュリアに特訓を受けた成果、今こそ――。
「ナルキニ! イコノトヒ!」
草原に、風が渦巻き始めました。
いままで地平を目指して駆け抜けた風たちは、ジュナの呪文に従うように、取り巻いて、渦巻いて、魔力と共にジュナを取り囲みます。
「ノタナア コナキス レーア ダ!」
そしてジュナが呪文を唱え終えると、眩い光を身にまといました。
そこに現れていたのは、タカハルの学校が指定するセーラー服を着た少女。
「成功したっ!」
「よし、でかしたジュナ!」
ジュナが衣桜に叫び、衣桜は溌剌と応えました。
「おタマさん、サク、ルラァ―! 準備はいいぜ!」
「わかったわ。気を付けてね、衣桜」
おタマさんが、大樹の根の傍に腰を降ろしました。
「門を開けるわ」
ぽつり、呟きます。
すると、大樹の幹に、淡い光がうっすらと縦に満ちました。
そして、開かれます。見える向こうは、優しい白に満ちた世界。
「ルラァ―、いいですか!」
「いつでもいい! 合わせる!」
「いきますよ! 『調律』!」
大樹を挟むように、右側へ立ったサクが両手をかざしながら叫び、鏡合わせに立つルラァ―も力を解き放ちました。
ジュナのもと居た時空間を、再び整える――。
邪神と管理者の力により時空間へ介入するその瞬間。
まさに書き換えられようとする、未来と過去の狭間へ。
「イァ、ク=トゥ=グァ!」
「イァ、イ=ツァ=クァ!」
クトアとイタクが、衣桜とジュナの身体へ、それぞれ憑依します。
衣桜を護る、生命の炎。
ジュナにほとばしる、不滅の雷光。
「さぁ、行きなさいふたりとも!」
「気を付けて! ジュナ、衣桜!」
「へへっ。行ってくるぜ! おタマさん!」
「フィリカっ! またねっ!」
アンブレラが変化した黒マントをはためかせながら、ジュナは白い光の中へ、轟音と共に飛び込みました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
衣桜:「さぁ、ブっ飛ばすぜぇ!!」
ジュナ:「あっ。ちょ、ちょっとタンマ……!」
衣桜:「Yheaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!」
ジュナ:「んひゃわわわぁ!!!! ぜ、前輪が浮いてるよぉォォォ!!!!」




