ジュナは未来可へ会いに行きます! (1)
「さっさと始めちまおうぜ。未来可奪還をよ」
草原に相棒のバイクを停め、仁王立ちして腕を組む衣桜が、二ヤリと口角を持ち上げながら言いました。
黒いセーラー服。大きな襟元に白い三本線。
その中央に流れる赤いスカーフが、草原を駆け抜けた風によって軽やかになびきます。
今までに見たことのない、好戦的な煌めきを灯した両の瞳に、ジュナは内心ゾクっとしました。
「奪還……?」
「ジュナ」
「は、はいっ」
そんな衣桜の落とした言葉に戸惑うジュナは、不意にサクから声をかけられました。
「フィリカのブレスレットによって、未来可に関する記憶は取り戻しましたね?」
「う、うん。思い出したよ。未来可が変身してわたしと詩惟花ちゃんを襲ってきたことも、ドッジボールの最中に来てくれたことも……」
「そうですか。なによりです。未来可の一番近くにいたあなたがいれば、おそらくは問題ないでしょう」
「問題ない? どういうこと?」
「未来可に、会いにいきましょう。ジュナ」
サクはそういうと、一息の間をいれてから、改めてジュナを見やりました。
「この世界、そしてジュナ、あなたのいる世界は、邪神と仲を深めることにより崩壊の道から脱却しました」
サクがルラァ―達をちらりと眺めました。
イタクは表情を変えずに視線を受け止めましたが、クトアは少々身じろぎ、ルラァ―はバツが悪そうに、ムッと唇を歪めました。
「その結果を呼び込んだのは、ジュナ。あなたと、未来可のおかげです」
「わたし?」
「そうです。衣桜とわたしはルラァ―達と戦うことによって解決を目指しましたが、結局のところ、それは叶いませんでした。しかしジュナ。あなたと未来可の努力が積み重なった結果、外なるものと和解する道へ進むことができたのです」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
クトア:「なかなかいないわよ。邪神と仲良くできる存在なんて」
ジュナ:「そうなの?」
イタク:「そうです。私たち混沌に身を置く者は、常に恐怖や争いといった事象と隣り合わせに生きていますから」




