ジュナに新たなお友達? フィリカ=ジェナイズ!
おタマさんという猫はジュナに告げると、前足で右目の周りをこしこしと撫でました。
そして、くぁ、とあくびをします。その様子は、他の猫と全く変わりません。
(でも、不思議な感じがする……)
ジュナはおタマさんを見つめた後、再び大樹を見上げました。
「気になる?」
「うん。なんだか、不思議な感じがする」
夜風が、さっと吹き抜けました。ジュナの金髪を揺らして、足早に去っていきます。
「実際、この木には力があるわ」
「そうなの?」
「ええ。あなたのような魔力とは、また違っているけれど」
そこまで言うとおタマさんは、ふいに首を巡らせて明後日の方を向きました。
「来たわね」
「えっ?」
ジュナがつられて、後方を向きます。
その瞬間、青白い光が宙へ縦横に走り、ジュナは目をギュッと瞑りました。
「わっ!! なになにっ!?」
「おや、遅れてしまったみたいですね」
落ち着いた声。
ジュナが目をそろそろと開くと、そこには白装束に身を包んだ、長身の女性が立っていました。
「あっ!? あっ……。えぇっ……、と……?」
ジュナは口をパッと開き、しかし言葉が出ずに口をもごつかせます。
名前が浮かびそうで、出てこない、というもどかしさを、伸ばした人差し指が物語っています。
長身の女性はその様子を見ると、さも当然のように頷き、そして自身の胸へ手を当てました。
「初めまして、吸血鬼。私は管理者のサク=ジュナイズと申します」
「あ、は、はじめましてっ。ジュナですっ。木由良戸 ジュナ」
「アンブレラと申します」
慌てて頭を下げるジュナに、続いて自己紹介するアンブレラ。
「あっ! あなたが木由良戸 ジュナですか?」
「えっ?」
二人の言葉にこくりと頷くサク。その後ろから、ひょこっと小さな少女が顔を出しました。
「お話伺ってます~! 本当に目が赤いですね~!」
「えっと、あなたは?」
「あっ、わたしですね」
こほん。青い髪を伸ばした少女が、口に手を当てて咳ばらいをすると、しゃらんと姿勢を整えて言葉を紡ぎました。
「はじめましてジュナさん! わたし、この時空の管理者を務めています、フィリカ=ジェナイズと申します!」
そういうとフィリカは、ぴょこんと頭を下げたのち、顔をあげてニコニコと笑いました。
背丈はジュナと同じくらい。サクに似た白装束に、左手首には金色の腕輪が輝きます。
「気軽に、フィリカと呼んでください!」
「あっ、じゃあわたしもジュナで! よろしくね、フィリカ!」
「はい! よろしくお願いします! ジュナ!」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「フィリカっ」
フィリカ:「はい。ジュナ!」
ジュナ:「フィリカっ! フィリカっ!」
フィリカ:「はいはい! ジュナっ!」
衣桜:「なんだこれ」
アンブレラ:「どうやら意気投合したようです。子供は打ち解けるのが早いですね」
おタマさん:「仲良きことは美しきかな、ね。よく言ったものだわ。武者小路実篤」




