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吸血鬼は小学生!  作者: zig
第四章 消えたあの子を取り戻せ!
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ジュナとネコさん。おタマさん!

 「来たわね」

 夜の空に手を広げる大木を、ジュナが見つめていると。

 不意に声が響きました。

 「だれ?」

 草の葉を揺らして吹き抜ける風に頬をくすぐられながら、ジュナは辺りをきょろきょろ。

 しかし周囲には衣桜がいるだけで、他に声をかけてくる人物は見当たりません。

 「アンブレラ、いま……」

 「はい。たしかに声が聞こえました」

 アンブレラはジュナの肩にとまると、瞳を閉じて意識を集中させました。

 「どこから……」

 「ここよ。異世界から来た吸血鬼のお嬢さん」

 「ジュナ様っ。うえです!」

 「うえ?」

 聴覚により居場所を突き止めたアンブレラの指示にならい、ジュナが天を見上げます。

 太い幹がのびのびと繁り、夜空を隠す無数の葉。

 しかしジュナが瞳に力を込めて注視すると、暗闇に紛れて姿を隠す声の正体に気づきました。

 「あっ! ねこっ!」

 「ふふふ。ご名答ね」

 猫はそう呟くと、軽やかに身を宙に任せ、そして地面に着地しました。

 「さすが吸血鬼。夜目が効くのね」

 「あ、あなたは……?」

 「よっ。おタマさん」

 「衣桜。お使いご苦労様」

 戸惑うジュナの後ろから、気心知れた様子で衣桜が猫に声をかけました。

 対する猫も、衣桜のことを知っているようです。

 長くて、気品に溢れた尻尾がゆらりと揺れました。全身黒ずくめの猫は柔らかい土の上に座ると、黄色いふたつの瞳でジュナを見上げました。

 「あなたが木由良戸 ジュナね。話は聞いているわ。邪神と仲良くなって、この世界を救ってくれたそうね」

 「は。ええ……?」

 「ダメだよおタマさん。ジュナはまだ記憶をなくしてるんだから」

 「ああ、そうだったわね。ごめんなさいね、ジュナ」

 「い、いえ」

 なんのことかさっぱりなジュナは、胸の前で両手をふりふりおタマさんの言葉に応えます。

 そんなジュナを見るおタマさんは、瞳を細めて微笑んでいるように見えました。

 (な、なんの話かわかんないよぅ……!)

 (ジュナ様ジュナ様。落ち着いてください)

 「そうよ。なにも焦ることなんてないわ」

 「ひぇっ! また念話がっ!?」

 「記憶をなくしたのはあなたのせいじゃないもの。大丈夫。すぐにわかるわ」

~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~


おタマさん:「木由良戸 ジュナ。キウラド。ラ。キュラ……。ふふ。いい名前ね」

ジュナ:「あ、ありがとうございます?」

おタマさん:「ところで吸血鬼の力を使うと、瞳の赤が濃くなるのね?」

ジュナ:「え、えっと。一応吸血鬼なので。えへへ」

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