ジュナ驚愕! フルスロットル・ジャーニー!
アンブレラと顔を見合わせたジュナは、衣桜に向かって言いました。
「行こうかな……」
「ジュナ様!?」
「なんだか……。ううん。行かなきゃいけないような、そんな気がする」
「お、そうか」
驚くアンブレラの隣で、ジュナが真剣な面持ちのまま言い切ります。
「いいぜ。じゃあ乗りなよ」
ジュナの返事に顔をほころばせた衣桜は、バイクに跨りエンジンをかけると、ジュナ達の前まで動かしました。
「ほい。ヘルメット」
「うん。ありがと」
かぽっとフルフェイスメットを被るジュナ。
アンブレラはランドセルの隙間から中に入り、瞳だけを覗かせました。
「ジュナ、門限は?」
「五時! タカハルと帰る時だけ六時!」
「五時か。オッケ!」
ヴゥンッ! と唸り、ライトを点灯させるV-ライガー。
「よっし! 行くぜ!」
「お、おお~!」
衣桜が景気よくスロットルを回し、アクセルを吹かせたV-ライガーは、けたたましい重低音を響かせながら黄昏時の道路を素早く駆け出しました。
「うわぁぁぁ!? はやいぃぃぃぃ!?」
「なに言ってんだジュナ! こんなの序ノ口だぜ!」
「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
ガォンッ! と唸りながら、高架道路を飛ばしていくV-ライガー。
いくつもの交差点を曲がり、街路樹やビルを後ろへ突き放して、車たちの隙間をすり抜けます。
あっという間に変わっていく景色にハッとしたジュナが気づいた頃には、既に高速道路へ乗っていました。
「風がぁーっ!? 風がすごいぃぃぃぃっ!!?」
「ったりめーだろ!! オレのライガーがそこらのバイクと同じもんかよ!!」
緩いカーブを切り込み、直線に至っては他の追随を許しません。
その姿は、まさに野獣。青い虎の猛烈な走りが、赤いテールランプを宙に残して夜の道路を流していきます。
「ど、どこまでいくのぉぉぉ!!?」
「もうおわる!!」
「ぴぇっ!?」
思いがけない衣桜の言葉にジュナが目を丸くすると、衣桜は最高出力を促すようにスロットルを全開に回しました。
「行くぜ! オレの世界によ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
風を突き放し、音さえも振り切ったかとジュナが錯覚したその瞬間。
目の前へ突然現れた光眩しい裂け目の中に、ジュナは飛び込んでしまいました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
衣桜:「やっぱりフル・スロットルして流す風は最高だぜ!!! Fuuuuuuuuu!」
ジュナ:「わぁぁぁぁぁぁ!!!!??? 衣桜さん飛ばし過ぎぃぃぃぃぃ!!!??」
アンブレラ:(ランドセルの中で、死ぬかも……。短い人生でした……)




