ジュナの上には巨大な扉! (2) 【お父様はおカタい扉?】
「父様……」
ポツリ、見上げたルラァ―が呟くと、世界そのものが震えているような声が響いてきました。
『ルラァ―よ……』
「わっ! 耳がぐわんぐわんするっ!」
ジュナはたまらず耳を塞ぎました。
声は低く、なんとか聞き取れはするものの、何重にもエコーがかかっているようにぼやけています。
「おっと。もう少し結界強くしなきゃ」
未来可も同じく、アンブレラさえ羽で耳を塞ぐ様子に、クトアは手をかざして炎の結界を強めました。
「これで大丈夫かな?」
「な、なにいまの……。クトアのお父さん、いつもあんな声なの?」
「いつもっていえば、いつもだけど……」
「正確には違います」
ヴォン、と赤みを増した緋色の結界に守られながら、ジュナがクトアに質問しました。
クトアは頬をポリポリとかき、イタクがその後を受け持ちました。
「実際には、この世界の言語ではないのです。実際のお声を聞いたら、精神が崩壊します」
「それって……」
『また失敗したのか、ルラァー……』
ジュナが口を開いたところで、再び扉の声が響きました。
「と、父様! ごめんなさい! 今回は安全な方法を取っていたんだけど……!」
『言い訳はよい。見苦しい……』
ルラァ―が仰ぎ見る扉は依然閉じており、重厚そうな赤銅色は泰然とした威厳に満ちています。
地平線からこちらまで、世界の全てを飲み込んでしまいそうな底知れなさが、ジュナには少し、恐ろしく思えました。
『いつまで見習いでいるつもりだ、ルラァ―……。今度は、失敗は許さぬとあれほど……』
(あ、あの子も半人前だったんだ)
(世界には、色々な半人前がいるものですねぇ)
「ご、ごめんなさい! 父様!」
『聞かぬ……』
必死に空へ叫ぶルラァ―ですが、父親は聞いてくれない様子。
(なんか、かわいそう……)
(うーん……)
ルラァ―の心もとない様子に、ジュナも未来可も困惑顔。
『お前には……。失望した、ルラァ―……。もはや、神へは至れぬ……』
「そ、そんな! もう一度チャンスを! 今度はしっかり……!」
『同じことは、もう聞かぬ……』
「ねぇ!」
すっかり弱ってしまったルラァ―を見たジュナは、知らないうちに数歩踏み出して、扉へと叫んでいました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
クトア:「あっ! ジュナ!」
イタク:「雷の結界から出てはいけません!」
ジュナ:「わわわっと! そうなの?」
イタク:「二重の結界があなたを守っているのです。この半球から出てはなりません。出た瞬間、あなたの意識はあなたではなくなります」
ジュナ:「ひぇ~。恐ろしや……!」




