ジュナと黒幕!
「う、うぅ~!」
「お、おいおい。泣かなくてもいいじゃねーか」
「だ、だって。だって怖かったんだもん……!」
頭を撫でられたジュナが不意に、タカハルの元へと顔を埋めました。
ひとには決して、涙を見せないジュナ。
しかし、やはりひとりの女の子。その金髪はふるふると震え、肩はときおり弾んでいました。
「わたし、わたし、もう、会えないかと思って。タカハルに、会えないかと思って……」
「おおげさな奴だな。そんなわけねーじゃん」
太陽が沈みかけ、明るい星がちらほらと顔を出す空の下。
夕暮れも深まる頃にやっと顔を離したジュナは、くすんくすんと鼻を鳴らしながら、しかしもう涙を流してはいませんでした。
「ほら、帰ろうぜ」
「うん!」
ジュナは飛び上がりたい気持ちで頷きました。
「えへへ……」
「なんだよ。気持ち悪いやつだな」
今までに襲ってきた苦労も、すべて吹き飛んでしまったような心地よさ。
先ほどまでどこか重かった足取りも、既に軽やかさを取り戻しています。
「タカハルぅ。来週はもっとびっくりさせてやるから!」
「言ってろ。まだまだ――――」
と、タカハルが言葉を呟く最中、急に声が途切れました。
「えっ?」
並んで歩いていたジュナですが、タカハルが動かないせいで少し前に立ち、振り仰ぎます。
「これって……」
「ジュナ様!」
「アンブレラ!」
見たことのある光景に驚いていると、空からアンブレラの声が降ってきました。
「ジュナちゃん!」
「未来可も!?」
「ジュナ様! お気を付けください! これは先ほどの時間停止です!」
「それって――――」
ドロン、と翼をやめたアンブレラが、パタパタ舞いながら忠告します。
ジュナが応えようとした次の瞬間。ジュナ達の前の空間に、さっと一筋、切れ目が入りました。
「あっ……!」
「ごきげんよう。吸血鬼。そして、魔女」
切れ目からは眩しい光。そして、開かれていく向こう側には、長身を象る影。
とんとんと歩いて現れた彼女は、管理者と名乗ったサクさんでした。
「見ていましたよ。見事に切り抜けましたね。それでこそ、ループを断念した甲斐があったというものです」
「管理者!」
「ふふふ。あとほんの数十万回繰り返せば、三百六十五万回に達せられたのに。残念。残念です。ああ、とても残念です!」
興奮気味に言いながら、両手を広げて口角を上げるサクさんの姿は、ジュナ、アンブレラ、未来可さんの誰が見ても、とても残念そうには見えないものでした。
「あなたは――――」
「申し遅れました。私、管理者ではありません」
そして、彼女の身体に闇が吸い込まれ。
黒々と長躯を包み込むと、すぐ後には小さな人物が、黒の中から姿を現しました。
「這い寄る混沌。絶望の体現者。いろいろ別称はあるけど……。親しみを込めて、ルラァーと呼んでくれたまえ」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
はたして、ジュナ達の運命は!?
土日挟んで来週も、どうぞお楽しみに!




