ジュナ、お疲れ様!
「わっ!」
「おっ、と。ジュナか」
カァ、カァ、とカラスが夕焼け空に羽ばたく頃。
路地角からパッと飛び出したジュナに、タカハルは平然と応えました。
「うぬぁ~! ほんと驚かないヤツ!」
「うるせーな。俺を驚かせたいなら、もっと精進しろっつーの」
ツンツン頭に三白眼。
タカハルは、いつも通りの黒い学生服を着ていました。
「……でね! そんなことがあってね!」
「ふぅん。そりゃ、大変だったな」
もはや日課と化している、ジュナの驚かせ大作戦も一段落して。
沈みゆく夕焼けに向かって歩くジュナは、並んで歩くタカハルへ今日あったことを話していました。
「もー、みんなパニックパニック! 学校中大騒ぎだったよ!」
さすがに管理者のことや、魔法のことまでは触れられませんでしたが……。
身ぶり手ぶり、身体中いっぱい使って話すジュナの話を、タカハルは淡々と聞いていました。
「でも、よかったな」
「なにが?」
「その、詩惟花って女の子。イジメられずに済みそうなんだろ?」
タカハルはそう言うと、目を丸くして見上げてくるジュナの顔を見下ろしました。
「うん。最初は腕が出たのが詩惟花ちゃんの前だけだったけど、みんな腕に掴まれたし……。詩惟花ちゃんだけが悪いんじゃないって感じたんだと思う」
その前に、考える余裕もなかったし。というジュナ。
あの時。三分にも満たない時間の中で三人と一匹が出した結論は、とりあえず成功と言えるものでした。
ジュナはそのまま、詩惟花さんを支える立ち位置で。
詩惟花さんは、屍人を召喚するために体育館の天井近くで詠唱。
アンブレラは詩惟花さんのサポートに回り、変身魔法も使える未来可さんは詩惟花さんに成り代わり。
詩惟花さんに遅延詠唱が使えるなら、未来可さんは変身せずに済みましたが……。
「だからね。今日はいろいろ大変だったんだ」
ジュナが感慨深く、夕日に向かって呟きました。
深い橙色に染まる太陽は、地平線を真っ赤に燃やしながら、しかしとても暖かい色をしていました。
「えっ?」
そんな遥か向こうを見つめて――――。
なんだか胸がキュッとしたジュナは、ふいに頭をポンポンと撫でられて。
「よく頑張ったな。ジュナ」
「タカハル……」
なんだか少し、泣きたくなってしまいました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
アンブレラ:「ぐぬぬぬ! なんだかいい雰囲気ではありませんか! あの男児め……!」
未来可:「まぁまぁ。今日くらいいいじゃない。やっとループも抜け出せたんだし」
アンブレラ:「ところで、御自分の箒で飛ばれてはいかがですか? なぜワタクシがわざわざ翼に……」
未来可:「い~じゃ~ん! かたいこといわな~い!」
アンブレラ:「あぁ。今日の夕陽は、やけに染みますねぇ……!」




