ジュナに満ちる優しい気持ち!
「詩惟花……」
「だめ。だめだよ。そんなこと……」
ジュナが見つめ、未来可が振り向く先。
つぶやきを落とした詩惟花さんは、それでも確かな思いを込めて、目の前の女性を見つめました。
「未来を諦めるなんて、いやだ……」
「詩惟花ちゃん……」
ジュナが気づくと、詩惟花さんの目には涙が溢れていました。
「わたし、ジュナちゃんと仲良くなって、まだ少ししか経ってないけど、それでも、離ればなれになりたくない……」
「ループした先でも、あなた達は会えますよ」
サクさんは、諭すように声を掛けました。
しかし詩惟花さんは首を振りました。ゆっくりと、しかしキッパリと。
「そうじゃないの。わたしは……。このまま、生きてみたいの」
バディ、と唱えた詩惟花さんの手元へ、時が止まっているにもかかわらず、どこからともなく箒が現れ、静かにその身を滑り込ませました。
「管理者さん。魔法を使ってしまったこと、謝ります。ごめんなさい。でも……」
そこで一度言葉を切った詩惟花さんは、それでも一歩踏み出すように、次の言葉を紡ぎました。
「今日までの道のり、巻き戻したくありません。わたし、あなたと戦います」
そして、ふわっと。
魔法陣が詩惟花さんの足元から花開くように展開し、そして白から黒色へと染まるそれは、まるでサクさんの魔法と睨み合うように対峙しました。
「管理者の判断を、拒むと?」
「はい」
「その選択が、最悪な結末を呼ぶかもしれないと言っても?」
「でも、信じてみたいんです。まだ、道があるんじゃないかって、そんな気がするんです」
膨らんでいく二つの円は、ちょうど白線を境にしてぶつかり合いました。
(あったかい……)
春の息吹に包まれるような安らぎ。
ジュナは詩惟花さんの魔法陣に立ちながら、胸の奥に積もる緊張が解けていく感覚に、安堵と喜びを自覚しました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
管理者として時間の巻き戻しを図るサク・ジェナイズ。
果たしてジュナと詩惟花さん、未来可さん、そしてアンブレラは、彼女を止めることができるのでしょうか?
『吸血鬼は小学生!』 土日挟んで来週も、どうぞお楽しみに。




