ジュナに見える、ささやかな兆し!
「さんっ……!」
あまりの数字の大きさに、絶句したジュナは口ごもりました。
「そんなにっ!?」
「そう。あなた達は知らないかもしれませんが、わたしは何度も何度も繰り返してきたのです」
サクさんは、瞬きもせず、淡々と言いました。
「な、なんでっ!? なんでそこまで……!?」
「魔法を知られた以上、記憶を消すか、時を戻すか、しかないのです。記憶を消すことは十分可能ですが、ふとした瞬間に蘇るかもしれない。となれば、時を戻してやり直す選択しか残りません」
「で、でも……」
話を聞いても、納得ができないのか、詩惟花さんとジュナはちらちらとお互いの顔を見合わせました。
「さあ、説明は終わりました。あまり長くなると、時を戻せなくなります。そろそろ……」
「ま、まって! そんなこと急に言われても……!」
右手に持った杖を両手で握り直したサクさんに向かって、詩惟花さんは一歩踏み出しながら言いました。
「魔女。今回もあなたの失敗が原因です。あなたに言っても仕方ありませんが、そろそろ制御くらいはしてほしいところです」
「そ、そんな……」
「ちょっと待った」
サクさんの足元が光り出し、なんらかの魔法が発動しようと動き出したところで。
胸の前で両手を握り、身をすくめる詩惟花さんの前に、未来可さんが守るよう、腕を伸ばしました。
「なんです?」
「妹をそんなふうに言ってほしくないな~。これでも頑張ってるんだよ?」
「お、お姉ちゃん……」
「大丈夫。シィは。ね?」
詩惟花さんが見上げると、未来可さんは顔だけを振り向けつつ、ウィンクして答えました。
「頑張っただけでは、許容できないこともあります」
「まって。今回のループは、まだ前回と違うことがあるの」
「というと?」
「ジュナちゃんが、前の記憶を引き継いでる」
「へっ?」
「ジュナちゃん、黒板に書かれた文字、覚えてるんだよね?」
「え? じ、詩惟花ちゃんの、自己紹介の時の?」
「そう。紆異智って名前。前のジュナちゃんは、覚えてなかった」
「ええ~!?」
「詩惟花ちゃんって最初から言ってた。自己紹介されたんだね。でも、紆異智さんって今回は呼んでた。ループの影響で必ず消えていた記憶が、ここにきて少し変化してきた」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「う~ん! 今のわたしは前のわたしとは違うの? よくわかんな~い!」
未来可:「性格は変わらないけどね~。ほんの些細なところがね」
詩惟花:「お、お姉ちゃん。わたしも前と、変わってたり、する……?」
未来可:「シィはね~」
詩惟花:「どきどき」
未来可:「……ひみつ~~~!」
詩惟花:「お、お姉ちゃーん!」




