ジュナも詩惟花も大ピンチ!
「な、なにがどうなってんだ……!?」
「ひええええ! おかあさ~~ん!」
詩惟花さんを抱えたジュナの後ろで、剛堂君が呟き、そしてその恐れは平太くんへと伝播しました。
「ちょ、み、みんな、落ち着いて……!」
にわかにざわざわとさざ波が、そしてそれは次第に大きく揺れていきます。
クラスメイトの動揺ぶりにジュナが歯止めをかけようと声を出しますが、突然の出来事にジュナ自身も驚いたまま。声が出せず、絞り出した微かな呼びかけは波音の中に消えてしまいました。
「!」
そして、突然。
ぽーん、ぽん、ぽん、とボールが跳ねると、その場で数回バウンドしました。
床から生えた腕が、ボールを落としたらしいのです。
そして、彫像のように固まっていた腕は、それからしばらくじっとしていると、今度は音もなく沈み始めました。
「も、戻ってく……」
まるで水の中へ沈んでいくかのよう。
次第に姿を消していく腕は、指先までを魔法陣の中に引き込んでしまい、そして残った円陣はふわりと消えてしまいました。
辺りには、再び静寂。
そして、何事もなかったかのように平穏な時間が訪れました。
沈黙。
しかし。
「……きゃああああああッ!!!!!!!」
ジュナがばっと振り向くと、女子のひとりが身を屈め、全身全霊の悲鳴をこだまさせていました。
「う、うわああああああ!!!!!」
「腕が! 腕がっ! 腕が! 腕がぁ!!!!」
「お、おかあさぁぁぁぁん!! おかあさぁぁぁぁん!!!」
体育館は、大パニック。
ジュナの振り向く先々で、悲鳴。悲鳴。悲鳴の嵐。
「ど、どうしよう……」
残されたジュナと詩惟花さんだけ、どうにもできずにただただ戸惑うばかりです。
「あいつ、転校生がおかしいよ!」
「!!」
そんな状況の中、異質なほどくっきりと浮かぶ、ひとつの糾弾が二人の耳に聞こえてきました。
「紆異智にボールが当たりそうになったら、腕が出たんだから! 今までこんなことなかったじゃんか!」
その訴えは確かに、怯える周囲の縋る指針を強く、強く打ち立てました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「ひえ~!? 昨日からなんだかこわいよぉ~!」
詩惟花:「わ、わたし、ことば出ない……!」
ジュナ:「っていうか! あの人でるんじゃなかったの!?」
詩惟花:「なんでもいいから、だれか助けてぇ~!」




