ジュナも困惑びっくりピンチ!
「きゃあっ!」
バシッ! と、盛大な音が響いて、周りには静寂が訪れました。
麻子さんが放ち、偶然にも詩惟花さんの顔を狙ったボールは、その後、てんてんと床を転がり――――。
「……えっ?」
――――ませんでした。
迫りくるボールから身を守ろうと咄嗟に縮こまった詩惟花さんの前で、ボールは回転もせず、その場に固まっていました。
「わっ!? ええっ!?」
「えっ。えっ。なにあれ」
「手!?」
風を切り、詩惟花さんを守ろうとしたジュナが目を丸くしながら急ブレーキ。
キキキキッ! と体育館のコートが甲高い声をあげると共に、内野、外野の双方からは戸惑いの声が上がりました。
「詩惟花ちゃん!」
「う、うそ……!」
しかし戸惑ったのは、先生やクラスメイトだけではありません。
ボールの衝撃が来ず、何が起こったのかと瞼を広げた詩惟花さんは、目の前の光景に言葉を失ってしまいました。
「どうして!? 呪文なんて唱えてないのに……!」
詩惟花さんの前方。麻子さんと対峙するまでのひらけた間。
そのコートの上に、黒色に染め抜かれた魔法陣がひとつ、展開していました。
そしてその円の中央から、伸びる腕がひとつ。
くすんだ黒緑色。いかにも褐色の悪い、というよりも異常な肌色は、二の腕から先を地面からニョキっと生やして、がっしりとボールを掴んでいたのでした。
「な、な、な、な、あぁぁぁぁぁ……?」
「わっ! 阿久 麻子が倒れたぁ!」
全力のストップから抜け出し、膝から崩れ落ちる詩惟花さんを支えるように寄り添ったジュナが叫びました。
「う、うで。うでが……」
腕は全く動きませんが、それだけに周囲の動揺は収まりません。
「やっば……!? し、詩惟花ちゃん! とにかく魔法解かないと!」
「ど、ど、どうすれば、いいか……。だって、魔法にはキーが必要なのに……!」
すっかりパニックになってしまったらしい詩惟花さんは、首を振りつつ答えました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ「あやややや……。どうしよどうしよどうしよ~~~!?」
詩惟花:「う、あ……。ど、どうしたら……」
???:「お困りのようですね」
ジュナ:「あわわわわ! 突然現れたあなたはダレ~~~~!?」




