ジュナと愉快なクラスメイト!
「ちょっと! 木由良戸さん!」
「ふぇ?」
さっきまで机に突っ伏していたジュナが、だんだんと話に熱を入れ込み始めたところで。
険のある呼び声がひとつ、ジュナの目の先であがりました。
「朝からなに惚気てるのよ! まったく頭がお花畑ね!」
ジュナの恋バナに集まった女子達がさっと道を作るに合わせて、教室の中央から歩いて来たのは目尻の吊り上がった少女でした。
「あ。阿久 麻子」
「え? 悪魔っ子?」
「ちがーーーーう!」
「ひゃああ!?」
ポカンと目をパチパチさせたジュナがポツリ呟いた名前に反応した詩惟花が間違って繰り返すと、阿久 麻子と呼ばれた少女はバシーン! とジュナの机を叩きました。
「悪魔じゃない! わたしは阿久 麻子! まったく失礼ね転校生!」
「ご、ごめんなさい……」
ぷんぷんと頬を膨らませる麻子は、言うとゴシック調の黒いドレスに彩った腕を組みながら立ちました。
「で? なんのようなの悪魔っ子」
「だからぁ! 悪魔っ子じゃないって言ってるでしょ!? 人の名前をいじるのはやめなさい木由良戸さん!」
対するジュナは慣れているのか、ほんとうにただ平然と阿久 麻子に対して尋ねました。
「毎朝毎朝! あなたの恋バナのせいでクラスの温度が上がるのが耐えられないの!」
「っていうよりは、自分の自慢話を誰も聞いてくれないから寂しいんだよね」
「そーそー。麻子ちゃん、ジュナちゃんの恋バナが羨ましくてしょうがないんだよ」
「おだまり! そこの取り巻きども!」
ジュナの背に隠れるように移動した女子達がぼそぼそと呟く言葉に、麻子は口から火を吐きそうな程吼えました。
「クラスでただ一人だったハーフの肩書も! 唯一だった麗しい金髪も! 霞んでしまってくやしいなんてそんなわけないじゃない!」
「わかった? 詩惟花ちゃん。阿久 麻子はこういう子なんだよ」
「う、うん。なんとなくわかった……」
「こらぁー! 勝手に分かった気になるんじゃない!」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「詩惟花ちゃん。土曜日にやってたアニメみた?」
詩惟花:「え? う、ううん。わたし、あんまりテレビ見ないから……」
麻子:「こらぁー! 平然とわたしを無視して会話するなぁ!!」
ジュナ:「うるさいなぁ~。じゃあ麻子は見た?」
麻子:「ふふふ! 聞いて驚きなさい! わたしの家にある七十七型TVでバッチリくっきり見ましてよ!」
ジュナ:「わかった詩惟花ちゃん? 阿久 麻子はこういう人なんだよ」
詩惟花:「うん……。ちょっと、めんど……あ、ううん。なんでもない」
麻子:「こらぁーーー!!! いま面倒くさいって言いかけたでしょ!?」




