ジュナと恋競うライバル魔女!
「うぅ~」
スズメが数羽、仲良く会話する電線の下。
朝日に目をこしこしと擦るジュナが、眠たげな声をあげました。
(いけませんジュナ様。目が赤くなってしまいます)
(ジュナもう目が赤いからいいもん……)
(そういう意味ではありません!)
ランドセルを背負う背中も、なんだかいつもより元気がありません。
はぁ、と珍しくため息をジュナがつくと、そのすぐ後に後ろから声が掛けられました。
「ジュナちゃん!」
「あ、詩惟花ちゃん……」
「おはよう。って、どうしたの!? 大丈夫!?」
「あはは~。実は、大丈夫じゃないかも~……」
力なく呟くジュナは、詩惟花さんと並びながら遠い目をして歩き始めました。
『ジュナっ! 肝心なところで呪文を間違えるなんて見習い『見習い』【見習い】よっ!」
『ひええ~! 許しておかあさ~ん!!』
詩惟花さんの姉、未来可さんがひと騒動起こした夜から数日。
いったいどこから見られていたのか、修行の成果に大層ご立腹のジュリアは期間限定でジュナに特訓を課しました。
『呪文をきっちりばっちり唱えられるようになりなさいジュナ! 身体に呪文を叩き込むのよ!』
『うげ~! もうのどがガラガラだよぉ~!』
『ほら! 魔女特性のど飴! 舐めたらまた三十回復唱っ!』
『鬼~! 悪魔~! クウゼンゼツゴの吸血鬼~!』
ひんひん泣きながら地下室でビシバシ鍛えられるジュナは、ハードな訓練にお疲れの様子。
見るからに元気のない友達を見て、詩惟花は戸惑いを隠し切れません。
「すごいんだね、ジュナちゃん家のおかあさん……」
「すごいなんてもんじゃないよ! 鬼だよ鬼! サタン様だよ!」
「うう~ん。ジュナちゃんが言うと、褒めてるのかどうかわかんないよ~」
「まあ、特訓だけならまだいいんだけどね……」
え? と聞き返す詩惟花さんですが、その答えは聞けませんでした。
「お。ジュナ。はよっ」
「あ。タカハル」
「元気ねーじゃんお前。どうした?」
「どうしたもこうしたも……」
「おーはよっ!」
しおれたジュナがお年寄りくさく返事をしようとした瞬間、背後からいきなりガバっと誰かが背中に被さってきました。
「うおっ!?」
「ひゃあっ!?」
「おっはよーん。ジュナちゃん、詩惟花ちゃん、タカハルくん♡」
「うわっ、うわっ、うわっ、出たなミラカー!」
「呼ばれて飛び出てどーんどん。未来可 紆異智、推参すいさんっ」
宿敵の声に思わず飛び退いたジュナが、指をさしながら吼える先には。
中学校のセーラー服に身を包んだ未来可が、しゅたっと額に手を沿えながら舌をペロリと笑っていました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「おっ、おっ、おっ、終わらな~い!」
未来可:「おやおや。いいじゃないジュナちゃん。続くならそれが一番でしょ~?」
ジュナ:「そりゃね!? わたしだって終わって欲しくないよ!? だってタカハルとまだゴショゴショゴショ……」
未来可:「じゃあいいじゃない。ウソツキは作者だってことにしといてさ~」
アンブレラ:「いつ止まるかしれない自転車操業……。ああ、可哀想なわたし達! 物語の運命や如何に!?」
ジュナ:「とりあえず、次回もご期待ください!」




