ジュナが見つめる、彼の背中
「キラレテ ミルカ」
雲が流れ、月が満ち。
一筋の銀線が流れる切っ先に、ひたりと、タカハルの喉元が当たりました。
「タカハルっ!」
「ぐっ……!」
「ゾンビ ノ ヨウニハ 、 イカナイ ……」
見守るジュナには、すべての時が止まったように思えました。
学生服に身を包み、脅威へ立ち向かう年上の男の子。
しかしタカハルは生粋の人間。異なる血を引き継いでいるジュナならまだ耐えられる傷も、タカハルにとっては致命傷になりかねません。
「や、やめてっ! タカハルに……!」
「黙ってろ、ジュナ」
崩れ落ちた紆異智さんを抱いたまま、すがるように声を上げたジュナを、タカハルは振り向きもせずに止めました。
「でも!」
「大丈夫だから」
声音は、落ち着いていて、優しい。
タカハルの言葉に、ジュナは、何も言えなくなってしまいました。
「ナゼ カバウ ? ジンガイ ノ チ ヲ ヒイテ イル コト 、 シッテ イル ノカ ?」
「知らねーな。そんなの」
「デハ ……」
「ジュナはな、女の子なんだよ」
「ナニ?」
「だからな、守ってやらねぇといけねぇんだよ。俺がな」
ジュナはハッと目を見開いて、タカハルの背中を見つめました。
「…… 。 ソレ ダケ ?」
「ああ」
「ソレダケ ノ リユウ デ 、 ココマデ ?」
「まぁな」
ジュナと紆異智さんがあれだけ恐れ慄いた相手に対して、一歩も引くことなく対峙するタカハル。
ジュナには永遠にも思えるほど、長い長い三秒は、静かに引かれた刃の軌跡によって断ち切られました。
「…… 。 ワカッタ」
すぅ、と降ろされ、そしてカランと凶器を地面に落とした男は、そう呟きながら後退しました。
「ミゴト 。 スバラシイ ユウキ ……」
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
アンブレラ:「ふ……ふん! なんですか突然出てきて! カッコよくない! 全然カッコよくありません!」
紆異智:「あの……。ふてくされるほうが、カッコ悪いというか……」
アンブレラ:「なんですとぉ!!」
紆異智:「ひゃああ! ごめんなさいごめんなさい! そんなにパタパタ舞わないでぇ~!」
アンブレラ:「くすん。ジュナ様……。次回、吸血鬼は小学生! ……あれ? あれはもしや……」
紆異智:「そろそろ、終わりですか~?」




