表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼は小学生!  作者: zig
第五章 戦いの場所は夜空ノムコウ!
145/147

ジュナと隆晴の後方で。未来可とルラァ―、ふたりきり…!

 「ここまで見送れば、いいかな」

 「ああ。大丈夫だろう」

 タカハルを抱いたジュナが、彼の自宅まで送り届ける遥か後方で。

 箒に跨った未来可と、自分の力で浮遊するルラァ―とが声を交わしました。

 「あーあ。本当はわたしが送ってあげたかったのにな~」

 「言えばよかったじゃないか。わたしが送るって」

 「だって~。ジュナちゃんを守ることをずっと貫いてきたんだよ? 今夜くらいは譲ってあげたいでしょ」

 「ふん。そういうものか」

 「そういうものです~」

 未来可は言うと、もう殆ど小さくなったジュナ達を眩しそうに見つめました。

 ひと悶着が解決してから、詩惟花を先に返した未来可はジュナ達に内緒で付き添いをするために空へ飛んでいました。ルラァ―も、何かあった時の護衛。もともとの原因を作った張本人として、思うところがあるのでしょう。

 「いいなージュナちゃん。あんなに思われるとか、中々ないよね」

 夜風に髪を流される未来可が、髪を抑えながら言いました。

 ルラァ―は目を配り、再びジュナ達を見つめます。

 しばらくの間口を噤んでいましたが、ポツリと唇が開きました。

 「想い、か……」

 「え?」

 「時間を巻き戻すことや、世界を壊すことは出来ても、人の想いまでは止められないんだな……」

 そう言うルラァ―もまた、眩しそうに細めた瞳で前を見据えていました。

 「そうだよ~? おかげでわたしみたいな子も生まれたわけだし」

 「……」

 未来可が両手をあげておどけて見せますが、ルラァ―は特に反応もなし。

 しかしどこか思うところがあるのでしょう。ルラァ―は頭上を見上げると、ほう、と息を吐きました。

 「破壊だけできるっていうわけじゃ、なかったんだな」

 目を向ける空には、いつかのように大きな扉――ルラァ―の父君――の姿はまったくありません。

 どこまでも広々とした世界。境目などどこにも見つからない空。

 ルラァ―は右手をかざしてみました。グッと握ったままの拳を空に伸ばして、そっと五指を方々に開きます。

 「ボクの力は……。守ることが……。」

 その手のひらに、星々が暖かい光を降り注ぎます。

 その輝きを受けて、ルラァ―は何を思うのでしょうか。

 なにはともあれ、今宵ルラァ―は、自分なりの答えに一歩近づくことができたようです。

 神としてより、人として。

 その想いの行く末は、ルラァ―の胸に満ちる不思議な気持ちだけが知っているのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 想いは凄いのですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ