ジュナと戦う魔法少女! (3) 【合掌! 屍人たち!】
「うォォおォぉぉオ!! ……ぉ?」
呪文を唱えた紆異智さんの周りで雄叫びを上げたゾンビが、よたよたと歩きながらも男に向かって群がります。
しかし、君の悪い咆哮は、ドサドサと者が落ちる音に交じって次々と消えていきました。
「えっ? なになに? ゾンビが多すぎてわかんない~!」
「ジュナ様! 彼の者、刃物でバサバサとゾンビを切っています!」
「ぅおォッ!?」
「がヒゃ……ッ!」
雪崩のように迫る屍人達。
しかし、男は紙でも切るかのように容易く、どんどん動く屍を刻んでいきます。
「フ ッ ……。 タアイ モ ナイ …… !」
「う、うわぁ~! どんどんゾンビの山ができてくぅ! きもちわるい~!」
「い、言ってる場合じゃないですよジュナ様! この後、どうするんですか!」
小さな口元に手を当てて惨劇を見守るジュナと、ぱたぱた舞いながら慌てふためくアンブレラ。
ジュナがそっと紆異智さんの様子を探ると、紆異智さんは白い肌をもっと青白く染めながら、しかしなんとか気を保って立っているようでした。
「わ、わかってたわ……。つぎは……うぷ」
「わっ! わっ! 紆異智さん!? 大丈夫!?」
「だ、だいじょうぶ……」
掲げた箒が揺らいで、足元から崩れ落ちそうになった紆異智さんを、ジュナは咄嗟に支えました。
「ご、ごめんね……。わたし、黒魔法が得意なんだけど……。黒魔法、苦手なの……」
「ど、どういうこと?」
「なぞかけですか?」
「ち、違うの……」
右側をジュナに支えられ、しかしやっと箒をついて立っている状態の紆異智さんは、俯きながらポツポツと話しました。
「く、黒魔法の適性が、あるんだけど……。わたし、ゾンビとか、魔獣とか、そういうの、ホントだめで……」
「あ、ああ~。得意だけど苦手ってそういう……」
「これは可哀想なミスマッチですね……」
思わず遠い目をしてしまうジュナとアンブレラが、口々に何とも言えない気持ちをもって呟きます。
黒魔法で呼び寄せたのは、ゾンビ。しかし、お世辞にも可愛らしいとは言えない容姿と佇まいが、自分たちを守ってくれているとはいえ紆異智さんの心には強烈な打撃を与えているようです。
「で、でも、がんばる、から……。あんしん、して、ジュナちゃん……」
「う、うん。でも、無理しちゃダメだよ?」
「あ、ありがとう……」
そういうと紆異智さんは、そろそろと箒を真正面に掲げつつ、次の魔法を唱える体勢に入りました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
ジュナ:「やっと残暑も抜けて秋っぽくなった……と思ったらまた雨ーーーーー!?」
アンブレラ:「なに言ってるんですかジュナ様。雨なんてどこにも降ってないじゃないですか」
ジュナ:「はっ!? 幻覚? およよ……。ピンチの連続でジュナのハートが背水の陣!」
紆異智:「この調子なら大丈夫そう……。うう、じ、次回、吸血鬼は小学生……」
???:「 ( 4 ) 二 ツ ヅ ク」
ジュナ:「お天気と戦いは、秋の空!」




