ジュナ、垣間見える乙女心! (4) 【静けさと姉と、ネコミミとルラァ―】
「麻子さん。ルラァ―さん、クトアさん、イタクさん。お邪魔しました」
「じゃあねー!」
丁寧に名前を呼んで頭を下げる詩惟花と、ジュナ、そしてタカハルが、扉の向こうに行ってしまいました。
散々騒いで華やいだ雰囲気が、見えない空気中に残っているようなお屋敷の中。
ジュナ達に手を振り、お別れの挨拶をした麻子の隣で、クトア、イタク、ルラァ―も玄関近くに立っていました。
「行っちゃった。あーあ! 終わっちゃったわ!」
「片づけをしなければいけませんね」
静けさが訪れる家の中、麻子は切り替えるように大声をあげて玄関を後にします。
少し寂しさがあるのでしょう。ネコミミの魔法を解いたイタクが、麻子の後に続いて客間に戻ります。
ルラァ―はふたりを一瞥した後、ふんと鼻息をつきながら腕を組み、改めて閉まった扉を見つめました。
「なによ。どうかしたの? ルラァ―」
そんなルラァ―の様子に気づいたクトアが、腰に手を当てながら彼の顔を覗き込みます。
イタクと違い、気に入っているのか、クトアの頭にはまだネコミミがぴくぴくしていました。
「……。さっき、ジュナと話をしていたんだけど……」
「あぁ、お菓子を食べる前のこと?」
「そう。ジュナが興味深いことを言っていた」
端正なルラァ―の瞳が、遠くを見つめるように細まりました。
「自分の正体を知られるのが、怖いと……。それも、クラスメイトのような周囲の人間よりも、タカハルひとりに知られてしまうのが怖いのだと……」
知られて、嫌われてしまったらどうしよう。
そう呟いたジュナの顔を、ルラァ―は見つめているようでした。
「ふぅん。そう。たしかにジュナ、あのタカハルって子が気になるみたいね」
「気づいてたの? 姉さん」
「そりゃ気付くわよ。むしろ気付かないほうがおかしいし」
見上げるルラァ―に、クトアは見つめ返しました。
「我が弟が鈍感のニブちんじゃなくてよかったわ」
「ニブちんって……」
「とにかく。ジュナも女の子だっていうことよ」
そういうとクトアは、片手をひらひらさせながら、イタクの後を追うために身体をひるがえしました。
「……。そう、か。まだよくわからないが……」
ルラァ―が玄関を後にします。しかし再び振り返ると、外に繋がる扉を見ながらポツリと呟きました。
「ネコミミが及ぼす周囲への影響には、思わぬ収穫があったな」
そこまで言ったルラァ―は、どこか足取り軽く、麻子と姉達のいる部屋を目指して歩き始めました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
アンブレラ:「今回は私が未来可様に質問致します。出番がない者同士、よろしくお願いします」
未来可:「いーよ~? かかってきなさい!」
アンブレラ:「では第一問。演劇部を選んだ理由は?」
未来可:「ほら、わたし魔法で姿を変えられるじゃない。だから演技上達のためにね~」
アンブレラ:「では第二問。未来可様はタカハル殿のどこがお好きなのですか?」
未来可:「そりゃもう、つっけんどんで不愛想なところだよ~」
アンブレラ:「第三問。タカハル殿と行きたいところはどこですか?」
未来可:「遊園地の観覧車……。あっ! まって! 今の無しで!」
アンブレラ:「残念ながら取り消せません。さて、この情報をジュナ様にご報告しなければ」
未来可:「ちょっとぉ~!? 恋路に野暮な真似は厳禁~!!」




