ジュナとタカハル、ちょっといい感じ!
「麻子さんのお屋敷、大きかったね~」
「そうだね~」
詩惟花の言葉に、ジュナはうんうんと相槌を打ちました。
太陽の光が消えつつある現在。
阿久 麻子の家を後にしたジュナと詩惟花、そしてタカハルは、家路をゆっくりと歩いていました。
「あんなに凄いお家建てちゃうお父さんって、どんな人なんだろ」
「麻子のお父さん? えっとね~。ほっそりしてて、いかにも音楽家な人だよ」
「会ったことあるの? ジュナちゃん」
「うん。運動会の時とか、たまに来るもん」
「へぇ~。会ってみたいなぁ」
「驚くよ~。お髭が左右にまる~く伸びてて、指揮者とか似合いそうな感じだもん」
ジュナが言うと、詩惟花はぽわぽわと想像力を働かせたようでした。
「まぁ、あんな豪邸を構えるくらいだから、よっぽど偉いんだろうな」
ふたりの少し後ろ、しんがりを守るように歩くタカハルも呟きます。
「印税がどうとか言ってたもんね~」
と、タカハルの言葉に反応したジュナは、そのままくるりと振り返りました。
後ろ足で歩きながら、タカハルの顔を見上げます。
「ところで、どうしてルラァ―の……麻子の家に来たの?」
たしかに、と詩惟花も思ったのか、肩口から覗くようにタカハルを見つめます。
タカハルはふたりの視線を受け止めながら、なんということもなさそうに言いました。
「べつに。転校してきたばかりで暇そうだったから話しかけたんだ。そしたら成り行きで」
「へー! そんなきっかけで仲良くなったの?」
「まぁ、言葉はかたっ苦しいけど、いいヤツっぽかったし」
「意外と社交的なんですね。タカハルさん」
いつのまにか消えてしまった――ルラァ―がこっそり、タカハルの身体に手を加えたようです――ネコミミのないツンツンとした黒髪が、そよ風に撫でられて揺れました。
タカハルは空を見上げて少し考えた様子ですが、再び視線を前に戻すと口を開きました。
「社交的ってほどじゃないけどな。まぁ、知り合いがいなくてつまらなそうだったし」
「タカハル、やさし~!」
「だから。うるせーっての」
茶化すジュナ。珍しく照れているのか、タカハルはつっけんどんに返します。
「でも結局、あいつの部屋には行きそびれたな」
「じゃあまた行こうよ! クトアもイタクもいて、楽しかったもん!」
「ああ。近いうち行こうな」
ジュナとタカハルが楽しそうに話す様子を見る詩惟花は、人知れず、静かに微笑んでいました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
麻子:「イタクお姉様! やっと出番が回ってきましてよ!」
イタク:「よかったですね麻子」
麻子:「ふっふっふ。今回はわたしが質問しちゃうわ!」
イタク:「お手柔らかに」
麻子:「第一問! イタクお姉様の愛読書は?」
イタク:「もちろん、ラヴクラフト全集……と言いたいところですが、違います」
麻子:「えっ!? じゃあなに!? なにを読むの!?」
イタク:「さて、なんでしょう。ちなみに最近読み終えた本は『デビルマン』です」
麻子:「お姉様! 本は本だけど、それはマンガよ!?」
イタク:「書斎にあったので、つい……。ちなみに麻子は、どんな本をよく読むのですか?」
麻子:「わたし? わたしはもちろん胸がスカッとするような復讐劇よ! 滾るッ! 滾るわ血がッ! あははははははは!」
イタク:「なるほど。スリルとサスペンスに満ちた物語……。それも面白そうですね」
麻子:「……なんて。実は恋愛小説が多いんだけど……。だめっ! 恥ずかしくて言えないっ!」




