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第六十三話:絆の約束と、首都への進軍!

 首都ザイールへの出撃を刻一刻と控え、地下基地の兵士たちが慌ただしく武具を整える中——。


 旅の一座と仲間たちは、決戦前の静かな一刻を迎えていた。


 トウマは愛用の三味線にそっと手を触れ、それから力強い眼差しで仲間たち——シオリ、アーサー、そしてソフィアを一人ひとり見つめた。


「……みんな。絶対、生きて帰ろうね!」


 トウマの声に、一同がハッとして振り返る。トウマは胸を張り、眩しいほどの笑顔で言った。


「無事にカズマさんを救い出して、この北の大陸に平和が戻ったら……帰ってきたら、全員で『大演奏会』をやるんだからね!!」


 その言葉に、真っ先にシオリが胸の勾玉に手を当てて優しく微笑んだ。


「はいっ! トウマさん、絶対です! 私、最高の演奏にします!」


「ハハッ、違和感ないな! この二胡の重低音、演奏会でも響かせてやるぜ!」


 アーサーが胸を叩いて笑い、ソフィアも愛用のタクト(指揮棒)を優雅に一振りしてみせた。


「ふふっ……私のタクト(指揮)なしに、演奏会が成り立つと思わないことですわ」


 仲間たちの絆が一つに固まったその時、背中にバイオリンケースを背負ったクリスが、どこか楽しそうに歩み寄ってきた。


「……なら、俺もその大演奏会に混ぜて貰おうかな? ヴァイオリンの音色も、悪くはないだろ?」


「!……クリスさん!!」


 トウマの瞳がパッと輝いた。クリスの参加宣言に、トウマは全身で喜びを爆発させるように拳を天へと突き上げた!


「ヨッシャー!! 最高の演奏会になること決定じゃん!!」


『ふふっ、調子の良いヤツめ。だが……負ける気が一切せんな!』


 トウマの肩の上で、天狐が嬉しそうに尻尾を振る。


 やがて、重厚な地下基地の岩の扉が重重しく開かれ、極寒の風が室内へと吹き込んできた。

 全員の表情が、一瞬にしてプロの戦士のそれへと引き締まる。


 ソフィアが一歩前へ踏み出し、凛とした美声で作戦の全貌を高らかに告げた!


「……皆様、最終作戦の確認ですわ!」


 一同の視線がソフィアへ集まる。


「まず、上空の制空権は鳳凰様と麒麟様にお任せします! 敵の空対地攻撃を全て叩き落としてくださいまし!」


『応! 任せるが良い!』

『空は我らが制しよう!』


 ミニサイズの鳳凰と麒麟が舞い上がり、頼もしく声を揃える。


「そして、レジスタンスの皆様! 門前に群がる魔物の大軍勢を引き寄せてください! ……ただし、決して無理はしないように! 生きて戻ることが絶対条件ですわ!」


「了解だ、ソフィア殿! レジスタンスの全力を受けてみろ!」


 クリスの合図に、レジスタンスの幹部たちが拳を突き上げて応える。


「そして……敵の本陣、操られしカズマ様の元へ突入するのは——私、トウマ君(天狐様)、アーサーさん(青龍様)、シオリさん、そしてクリスさんの5人です!」


「「「「おおおっ!!!!」」」」


 ソフィアの指揮のもと、全員の意志が完全に一つへと束ねられた。


 ソフィアは愛用のタクトを掲げ、北の大陸の命運を懸けた最終決戦へ向けて、高らかに号令を叫んだ!


「では……出陣!!!!」


「「「「「おーっ!!!!」」」」」


 地を揺るがすような勝吼とともに、一行は暗雲立ち込める決戦の地——首都ザイールへ向けて怒濤の進撃を開始するのだった!



読んでいただきありがとうございました!


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