↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/67

第四十一話: 二手に別れる誓い

 大宴会の賑やかさが嘘のように消え去った翌朝。俺たちは作戦会議室に集まり、次なる目的地——北の大陸への移動手段について話し合っていた。


 だが、その平和な時間は突如として破られることになる。


 会議室の影が突如として揺らめくと、黒い装束を纏った男——東の大陸からの密偵・影丸が姿を現した。


「影丸! 帰っていたのか!」


 俺が声を上げるが、影丸の表情は極めて緊迫していた。ひざまずき、息を乱しながら報告を口にする。


「……緊急の報告にございます! 北の大陸より、見たこともない大規模な魔物の軍勢が出現! 大海を渡り、我が『東の大陸』へと一斉に押し寄せております!」


「何だと……!? 東の大陸に魔物の大軍が!?」


 驚愕する俺たちの前で、さらに会議室の扉が勢いよく開かれ、兵士が転がり込んできた。


「ソフィア様、アーサー様! 西の大陸——竜人の国『ロイ様』より、至急の伝令です!」


 差し出された書状を素早く改めたアーサーさんの顔色が、一瞬にして変わった。


「……我が国からもだ。北から押し寄せた魔物の別動隊が、西の大陸の我が故郷にも侵攻を開始した……! 国王様より『アーサーよ、至急戻りて軍の指揮を執ってほしい』と……!」


「そんな……! 東の大陸と、西の竜人の国が同時に襲われるなんて……!」


 シオリさんが悲痛な声を上げる

 北の大陸から同時に放たれた二大軍勢。両大陸が同時に危機に瀕しているのだ。放置すればどちらの国も壊滅を免れない。


「……くっ、次の尾を探すどころではなくなったな。だが、どうすれば……!」


 俺が焦りを募らせると、ソフィアが冷徹かつ迅速に思考を巡らせ、作戦地図をバンッと叩いた。


「——二手に分かれましょう。東と西、同時に救援に向かうのです!」


「二手に!? でも、どうやって振り分けるんだ?」


 ソフィアは迷いのない瞳で、それぞれのメンバーを見つめた。


「まず、西の大陸・竜人の国へはアーサーさん、トウマ、天狐様の三人。故郷であるアーサーさんが陣頭に立ち、トウマの柔軟な属性攻撃と天狐様の圧倒的な力が不可欠よ」


「納得だ。故郷は俺が守る」アーサーさんが力強く頷く。


「そして東の大陸へは、私とさん、そして鳳凰様の三人で赴きます。東の大陸には現在、鳳凰様の息がかかった駐屯軍が滞在しているわ。私が指揮を執るのが最も効率的だし、シオリは東の大陸の地の利を完璧に熟知している」


『なるほど! ソフィアの戦略眼とシオリの案内、そして我が伴えば東の大陸の軍は完璧に機能するな!』


 肩の上の小さな鳳凰がパタパタと翼を叩いて賛同する。

 完璧な理にかなった人員配置だった。


「移動手段はどうする? 船では間に合わないぞ!」


 俺が尋ねると、ソフィアと鳳凰がニヤリと微笑んだ。


「東の大陸組は、本来の姿に戻った鳳凰様の背に乗って大空を駆け抜けます。これなら半日もかからずに東へ届くわ」


「そして西の大陸組は……昨日正気に戻した二羽の聖獣(グラディウスとノックス)に乗っていくが良い! 我の背ほどではないが、海を越える圧倒的な速度を誇るぞ!」


「聖獣に乗って西へ……! それなら、襲撃に間に合う!」


 決断は下された。分断の危機ではあるが、それぞれの強みを活かした最善の陣形だ。


 作戦会議室を出て、大聖堂前の広い広場へ出ると、すでに巨鳥の姿を取り戻した鳳凰と、光と闇の聖獣たちが俺たちを待っていた。


「トウマさん……気をつけてくださいね。お互い、無事でいましょう」


 シオリさんが不安と決意の混ざった瞳で俺を見つめ、そっと声をかけてくる。


「ああ、シオリさんも! ソフィアさんと鳳凰様がついているけど、無理はしないで」


 俺が力強く答えると、ソフィアがアーサーさんと固い握手を交わした。


「東と西、それぞれの魔物を完全に討伐したら……東の大陸にある『鳳凰の村の大聖堂』で合流しましょう。必ず、生きて再会することを誓って」


「ああ! 鳳凰の村の大聖堂で合流だ! 絶対に全員無事で集まろう!」


 俺たちの固い誓いが響き渡る。


 シオリ、ソフィア、鳳凰を乗せた巨大な鳳凰が黄金の炎を散らして東の空へ飛び立ち、俺、アーサー、師匠を乗せた光と闇の聖獣が西の空へと疾走する。


 二手に分かれた仲間たちの、大陸の運命をかけた新たな戦いが今、幕を開けるのだった——!



読んでいただきありがとうございました!


少しでも楽しんでいただけたら、ぜひブクマや評価(★)で応援してもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。