表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「拝啓、かなうへ。あの日の約束を覚えていますか?」  作者: ともり。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/43

第三十一話 「それぞれの冬」

# 第三十一話 「それぞれの冬」


十二月。


街は少しずつ年末の空気になっていた。


---


駅前にはイルミネーション。


---


コンビニにはクリスマスケーキのポスター。


---


スーパーには正月用品。


---


一年が終わろうとしていた。


---


仕事帰り。


---


りょうやはマフラーを巻き直しながら歩く。


---


冷たい風。


---


吐く息は白い。


---


スマホが震えた。


---


かなうだった。


---


『忘年会だるい』


---


りょうやは少し笑う。


---


『行ってこい』


---


既読。


---


『帰りたい』


---


『まだ始まってないだろ』


---


『だから』


---


相変わらずだった。


---


大学の頃から。


---


飲み会が好きそうに見えて、

実はあまり得意じゃない。


---


人に合わせるのは上手い。


---


でも。


---


疲れるらしい。


---


りょうやは知っていた。


---


---


数日後。


---


休日。


---


久しぶりにかなうから電話が来た。


---


「もしもし。」


---


『暇?』


---


「少し。」


---


『飯行く?』


---


りょうやは少し驚く。


---


「今日?」


---


『今日』


---


「急だな。」


---


『思いついた』


---


それもかなうらしかった。


---


---


夕方。


---


駅前で待ち合わせる。


---


かなうは相変わらず少し遅れて来た。


---


「寒。」


---


第一声だった。


---


「お前、毎年言ってる。」


---


「寒いものは寒い。」


---


二人は少し笑う。


---


歩きながら。


---


特に目的もなく店を探す。


---


それも昔と変わらない。


---


かなうが言う。


---


「なんかさ。」


---


「ん?」


---


「会ってない気がしなかった。」


---


りょうやは少し考える。


---


たしかにそうだった。


---


数か月ぶりなのに。


---


久しぶりな感じがしない。


---


かなうも同じだったのか、

少し笑う。


---


「不思議だよな。」


---


「まあな。」


---


居酒屋の明かりが並ぶ通り。


---


クリスマスソング。


---


すれ違う人たち。


---


みんな誰かと歩いている。


---


かなうがふと立ち止まった。


---


ショーウィンドウを見ている。


---


「どうした。」


---


「いや。」


---


かなうは少し笑う。


---


「俺ら、二十五歳なんだなって。」


---


りょうやは吹き出す。


---


「今さら。」


---


「急に実感した。」


---


かなうはそう言って笑った。


---


その横顔は。


---


大学の頃より少し大人で。


---


でも。


---


どこか変わっていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ