プチ女子会で迷走中
おじ王子とお揃いの服で踊っていたら、
『あの2人ってそういう関係?』と周囲に怪しまれるといけないから、三曲踊り終えて速攻で距離を置いたのに…十分も経たない内に私の元にやって来た。
「さぁエラ、踊ろうじゃないか!」
これで四回目ですよ王子……いくらなんでも私と踊りすぎじゃないですかい?
そこらに美人がわんさか居るっていうのに、わざわざ私にまた声を掛けるなんて、よっぽど今日の私が可愛すぎるのね。きっとそう。
「ボーっとしてどうした?エラ」
「えっ、あぁ、えーと」
オリバーも兄も、今はヴァレンタの貴族に捕まって話し込んでいるから助けは見込めない。となると……
“自分でどうにかするしかない!”
『ごめんなさい、長距離移動で疲れてるんです〜』とか言い訳をしてなんとか歓迎会を乗り切った。
「あぁ〜会場中歩き回ってたからクタクタ。」
いいことなくて夜会って嫌いだわ……てな具合いに不貞腐れてた私だけど、部屋に戻って絢爛豪華なお風呂に入ったらそんなこと綺麗さっぱり忘れたよね。
更に!お風呂上がりにはテーブルの上に選り取り見取りなフルーツが用意されてて至れり尽くせりでテンション上がっちゃった。今の私にはおじ王子のことなんて頭にない。
――そう、私ってば単純☆
エザラに着替えを手伝って貰ったから後は寝るだけ!お姫様の天蓋付きベッドに寝っ転ろがるとそれはもう伯爵家のベッドとは比べ物にならないくらいフカフカ!
「このマットレスの中には一体なにが入っているのかしらぁ〜」
それは夢と希望と〜……
「ふふふ奥様ってば寛いでますね。私はソファーで寝てますから何かあったら起こして下さい。」
ソファーがそのまま簡易ベッドになるらしく、そこで寝ようとしているエザラ。
(そういえばさっき、ヴァレンタの御用係の侍女から毛布と枕を受け取ってたかも?)
「それでは奥様、おやす――」
「あ、ちょっと待って!!」
「いきなりどうされました?」
「エザラもベッドで寝ようよ。ソファーもすごくフカフカだったけど、ベッドの方が疲れ取れるだろうからさ。」
「ですけど…姫君のベッドですよ」
「私に貸してくれるお姫様なんだもん。もう一人ベッドで寝たぐらいで怒らないわよ。ねぇ、エザラいいでしょ〜。それに一人だと広いベッドで寝るの落ち着かないし。」
今こそ、この童顔キューティーな顔を生かす時よ!
大きくて可愛い目をパチクリして、おねだり。
「奥様ってば………もぅ〜わかりました。それじゃあ“護身用にベッドで寝る”ということにしておきます。」
「私がエザラを身代わりにするわけないのに!」
「万が一の事が有るかもしれませんから」
「大丈夫よ……でも、もしそうなったら2人で逃げようね」
◇ ◇ ◇
せっかくエザラと一緒の部屋で寝るんだし……
『プチ女子会を開催しよう。そうしよう!』
ってことで、2人でお姫様の天蓋付きベットに寝っ転がって夜更かし!実は夜中に女子会するのちょっと夢だったんだよね♪
実家では、姉は夜に弱いからすぐ寝ちゃうし、侍女のマリーも『朝早いので〜』とか言って付き合ってくれなかったから。初めての夜女子会!
「――ってなって私すっごく驚いたんだから。まさか王子がお揃いの夜会服着てくるなんて」
「正直そんなことだろうと思っていましたが、嫌がると思ってあえて言いませんでした。」
「オリバーもお兄様も気付いてて言ってくれなかったのよ。前もって言ってくれてた方が心の準備でき………やっぱり言わない方がいいかも?」
「ふふふ。そのうち良い思い出になりますよ……あ!そんな事より奥様が夜会に出席している間、夜食を届けてくれた侍女の方と少し話して、ヴァレンタ国の情報を仕入れました!」
エザラがサッと取り出したのはメモ帳とペン……このニ点セット見るとどうしても分厚いメガネと三つ編みおさげを思い浮かべてしまう。そうあの子のことよ。
「ねぇ、まさかそのメモ帳……」
「そのまさかですよ。このメモ帳とペンは、メイドのリリーから借りたんです。」
「そりゃまたどうして?」
「リリーから『私たちを代表してヴァレンタに行くんですから、代わりにメモして来てください!』って言われまして」
「なるほど……リリが情報を仕入れたくて頼んだのね」
それでもヴァレンタで見聞きした事とか鮮明にメイドの皆に伝えられて案外いいかもしれない。皆も知りたいだろうし。
「え〜と、まず、個性的な顔がこの国でモテるらしくて、ベルタ殿下は人気者らしいです。反対に、旦那様のような完成された顔の美形は見飽きてるからあんまりモテないって聞きました。ヴァレンタ国、奥が深いですよね〜。」
「えぇ!おじ王子ってモテるの?!」
衝撃的事実……まさかのモテ枠?!
美形多すぎて個性派(癖強い)が人気なんて…。
そういえばおじ王子囲まれていたような…そんなことないような?あっ!そういえば昼間の観光スポットで子供達に囲まれてたな!
「でもあれ?……今日の夜会ではオリバー囲まれてたよ!だから美形がモテるのかと思ってたのに」
「ヴァレンタ国の殿方はクールなタイプが多いらしいですから、優しそうな雰囲気と性格でウケているんだと」
「なるほど、つまり人たらしはヴァレンタでもモテるのね!でもオリバーって計算して接していそうで、ただ優しい男って感じじゃないよね。それが余裕っぽさになってててカッコ良くもあるけど……。」
「奥様にしては中々頭のキレた考えですね」
「中々は余計よ。ゴホン……夜会でオリバーが他の人にも微笑んでる顔見てたら、なんだか私の事も上辺だけで接してるんじゃないかって心配になったの。お兄様からは気にするなって言われたけど。」
それに馬車の中で勢いで『これは恋?!』とか一人で盛り上がってたけど、冷静になると私も他の女と同じようなもの??あの人の考えてる事よく分からないからどう思われてるのかさっぱり検討もつかないけど。
それに『惚れさせるぞ!』とか豪語してたくせに私の方が好きになっちゃって……。
私ってば、恋愛初心者すぎて振り回されている?
「もうオリバーのこと分からない……」
「旦那様との関係で悩んでいらっしゃるんですね。人生、道から逸れたり戻ったりしながら進むものです。だからゆっくりでいいんですよ。……ッフ、奥様は恋愛初心者なわけですから私に頼ってください!」
やけに頼もしい決めポーズを披露するエザラの顔は、自信で溢れていた。物凄く『私は恋愛のエキスパートですぅ〜』みたいな顔してるけどエザラの恋愛話とか聞いたこともない。
「エザラは恋愛経験あるの?」
「恋愛劇見漁ってますからね」
「つまりリアルな恋愛経験ないんじゃない!』
「そうとも言いますけどぉ〜」
「そんなこと言ったら私だって恋愛小説を……
――なんて感じで語り尽くしていたらいつの間にかエザラと二人で寝落ちしてた。
◇ ◇ ◇
「せっかくエラとお揃いの夜会服を作らせたというのに、オリバー……なんて手強い男なんだ!!」
本当はエラとペアな夜会服を着て注目を浴びて、ヤツには赤っ恥かかせてやろうと思っていたのに!コサージュなんて姑息な真似を!!……だが、それで諦める俺じゃない!夫婦仲がいい?それなら悪くすればいいだけだ!
「ニ人の仲が悪くなったところで私が慰めてエラを横取りする作戦を明日決行する!」
この一週間でやることを練ったんだ。絶対に成功させる!
「フフフフフフ……フハハハハハ!」
「ベルタ様。笑い声が不気味です。」
「そうか、それは良かった。」
後ろに控える執事長のエドワード(じぃや)に恐れられていたらしい。だが、役に入り込めていたということだ!今の僕は二人の中を切り裂く悪役だからな!
「フハハハハ……フハハハ――
「はぁ〜……いい加減寝てください、ベルタ殿下!」
執事のじぃやに寝ろと言われたから仕方なく寝るとしよう。
◇ ◇ ◇
「うわっ!」
「どうしたんです?いきなり飛び起きて」
私が飛び起きた事で目を覚ましたエザラは重い瞼を擦って大あくび。
「ねぇ、なんだか分からないけど寒気がして来た」
「ふぁ〜あ。そうですか?しっかりお布団かぶって寝てくださいね。おやすみな……ぐぅ」
エザラ寝るの早っ
知ったこっちゃねーっって感じでしょうけど、最近忙しくてあんまり投稿出来てませんでした。とりあえず完結目指してマイペースに頑張ります!決してサボってた訳ではないんです。ちょっとめんどくさかっただけです。




