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【女子会】毒舌ナルシストになった理由……。


「みんなたくさん食べていいからね」


あのクッキー事件(笑)の後だから『厨房を借りたい』って言ったらカロンにすごく嫌がられた。しかたないから今回は私とエザラだけで作ったんだけど、あの日よりスムーズだったわ……。


メイドの4人は休憩中で、お昼のおやつとして出したら大好評!床に座りながら和気あいあいとマフィンを食べている。


「う〜ん。私が作ったマフィン美味しい♪」


『オリバー用に甘過ぎないのも作ろうかな?』『あとでレナードと残りのメイド達にも持っていこうかな?』なんて考え込んでいたら――。


「あの、前から思っていたんですけど。なぜ奥様は自己肯定感がそんなに高いんですか?」


私に疑問の声を投げかけるサラ。意外と真剣な顔で聞いてくるもんだから驚いちゃった。


「それに可愛らしいお顔とは裏腹に結構毒舌ですよね。」


サラの横に座るジュリーは顔だけヒョイっと出してサラの話に乗ってきた。あれ?今可愛らしいって言った?!


「私の自己肯定感が高い理由?ッフ…。これには深〜い事情があるのよ。あれは、そう――



(((((語り出した……。)))))



――今から12年前――


私が7歳の時だった。髪の毛が癖毛で少しフワッとしててあの頃の私本当に可愛かった……というのは置いておいて。


「あっ、可愛くない方だっ!」

「本当だ!ワッハハハ。おい、こっちに来るぞー!逃げろ〜」


初めて参加したガーデニングパーティーで、令息2人からすごくいじめられてね。姉のバネッサが綺麗だから揶揄われたみたい。



「やめなさい!私の可愛い妹に悪口言わないで!」



うちの姉は心まで綺麗で、悪口を言う令息達に立ち向かってくれた。本当に自慢の姉!それでも悲しいことに変わりなくてその場では泣き出しちゃった。


「……うえーん。わたし、かわいいもん!きれいだもん!」

「泣かないでエラ。あなたは世界一可愛い自慢の妹よ」

「お姉ちゃん……。」


って感じで姉が庇ってくれてその場は終わった。それでもまだ子供だったから、トラウマになって流石の私でも1週間ぐらい思い出しては泣いていたな……。


「エラ、そんなに泣かないでくれ。ほら、こんなに可愛いんだ。鏡を見ればわかるだろう。」


「お父様の言う通りよ。お母様も可愛くないって思ったこと一回もないわ。ほら、ウサちゃん抱き枕にお顔がそっくり!」 


なんて感じで両親は褒めちぎってくれた――。


「そうだぞ!お前はバネッサの6()()くらい可愛い!」

「うわぁーーーん!!!」

「お兄様……全くエラのこと褒めてませんから。傷口に塩を塗るようなこと言わないでください!」


まぁ、兄はあんな感じだけど……。家族はそんなことないよ!可愛いよ!って言ってくれてた。だけど姉ほど綺麗じゃないことは薄々気づいていたからいじめられて以来、パーティーの日は姉のドレス姿に圧巻されるからより行くのが嫌になった。


思い出したらあの2人腹が立つわ。ヤンチャ小僧って感じで、今思うとアイツら姉に好意を寄せてたんだと思う。だからあの日、今度は姉がいない隙を見計らって懲りずに私をいじめてきた。


「おーい!じゃない方!じゃない方!」

「おい辞めろよ。アイツがこっちに来るだろ。キャハハ」

「うぅ、2人とも辞めてよ……」

「うるせ〜。お前なんか可愛くない〜」


「そうだ。ピンクのドレスなんか着て()()みたいだ。」


この言葉で悲しい気持ちが怒りに変わった。沸々と湧いてくる怒りが抑えきれなくなって、思わず言っちゃったのよね――。


「……だよ。」


「ん?なんて言った?」

「聞こえねーぞ。ブタ〜」



「っるせんだよぉぉーー!黙れタコ」



(((((一同:奥様強いっ!!!)))))



        * * *


「奥様!“黙れタコ”なんてどこで覚えたんです??」

「本当ですよ。7歳児の語彙力とは思えません!」


「えーと、街中のおじさんがそう吐き捨ててるの聞いたから自然と耳に残ってたのかも?因みに、その令息達はものすごい剣幕の私にビビって2度と悪さしてこなくなったの〜。懐かしいわ」


「おぉ……」


(なんかちょっと引かれてる……まぁ、いいか)


それからは、自分の身を守るために強くなろうと思ってこのスタンスで生きてきた。弱いと舐められるから。それに誰も可愛いって言ってくれないなら自分で自分を可愛がるしかないと思ってこんなにナルシストになったんだと思う。


「――って感じで今の私が出来上がったの。その出来事と、兄が酒豪令嬢って広めたせいで男が寄り付かなくなったわけだけど……。あれ、男だけじゃない?」


「最初の2年間、奥様のこと怖い人だと噂で聞いていて、怖くて距離を置いていたんですけど…。今では私サラ、奥様の味方です!!」


「そうです!使用人一同奥様の味方ですよ。」

「「もちろんです!」」

 

こんな性格だし、友達なんて出来ないと思ってたから…。こうしてみんなの言葉を聞いたら感極まってしまった。


「うぅ……みんなぁ……!!!」


5人で輪になって円陣を組むように感動のハグタイム。あぁ…!これでこそ仲間って感じがする!



「「「「「「うわぁーーーーん」」」」」」



ガチャッ

「あの〜、お知らせが――


そんな中で登場したレナードに皆が一斉に視線が向けた。もちろん私も。


「レナードさん、後にしてください。今女子会なんで!」

「ヒィッ……しっ、失礼しましたぁー!」


すごい剣幕で怒るノリカに圧倒されて、入りかけていた休憩室から颯爽と逃げて行く。ちょっと可哀想かも。耳を澄ますと調理場で働くおばちゃんに怒られてるのがドア越しにも聞こえる。


『だ〜から。今は行くなと、あれほど言ったではありませんか!』


『早い方がいいと思って……』


『若い子達の女子会に乗り込んで行ったらダメですよ〜。あっ、でもノリカは私と同じ歳で”女子”って感じじゃありませんね。オホホホホ〜』


おぉ……調理場のおばちゃんが触れてはいけないところに触れている気がする……。案の定、視線をノリカに移すと、今にも飛びかかっていきそうな姿が!!!


「¥@&$#€*!!!!」


荒れ狂うノリカを止めるのに4人がかりで抱きついて止めた。あぁ、せっかくの感動タイムだったのに…いい感じだったのに。


「ノリカさん、落ち着いて下さいよ。深呼吸!深呼吸!」



「落ち着いて!ノリカさんも()()女子ですから………あっ!」



リリーのフォローも虚しく、サラの失言により益々荒ぶるノリカを止めるのにしばらくかかった。




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