真の狙い
ウィリデとアルフはメイとシルフ同士の戦いの間をすり抜けていき、ニャルラトホテプへと接近していく。
メイの方を軽く見てみると、お互いの両手を掴みあい、力の押し合いをしている様だ。
手もいつの間にか、両者ともにオーガの腕へと変わっている。
足も今の自分の中で一番踏ん張りが効くであろうレッドドラゴンの足へと変わっている。
メイの方は問題ないな。
シルフの方は……風の唸る様な轟音を聞く限り、お互い引かずの戦いをしているのだろう。
メイとシルフならコピーと言える鏡像に負けることはないだろう。
だからこそ、今集中すべきなのは、ニャルラトホテプの相手!
「アルフ! 撹乱しろ!」
「キキッ!」
俺の指示と共にアルフの口が開き、『怪音波』が放たれる。
「お~?」
間延びした言い方のせいか、効いているのかわからない様に見えるが、少しきつそうな顔をしているのを見る辺り、効いてはいるのだろう。
ダメージも蓄積されているに違いない。
「ウィリデ!」
「フゥ!」
ウィリデは魔法陣を展開すると、そこから風の刃が連続して放たれる。
放たれた風の刃———『鎌鼬』は怯んでいるニャルラトホテプへと襲い掛かる。
さぁ、ここからどう出る?
アイツがこのままくらうわけがないと警戒して、行動次第で次の指示を、と考えた時だ。
「ガッ……!?」
「はぁ……?」
え? 嘘だろ?
予想外すぎることが起きた。
その出来事とは、ニャルラトホテプは『鎌鼬』に対して、防ぐや避けるもせず、そのまま直撃をくらい、『鎌鼬』によって、体が切り刻まれていき、腕や足が吹き飛んだり、胴体が上下で真っ二つになって吹き飛んでいく。
……結構やばいものを見ている気がするが、吐かない様になってきた辺り、耐性が完璧についたのかもしれない。
いや、それよりもだ……呆気なさすぎる。
アレほど異様で、メフィストフェレスや、ロキよりもやばい感じを醸し出しながら、ああも簡単にやられるなんて。
いや、あえて受けたと考えるべきじゃないのか?
『不死殺し』なんて力が存在する世界だ。
『不老不死』なんていう力を持っていてもおかしくない、というよりもアンデットがそれを持っている可能性があるのか。
となると、ニャルラトホテプは『鏡』以外にも、『不老不死』、もしくは『不死身』を持っている可能性が……?
「待てよ? なら、どうして、あの時のシルフのストームジャベリンを防ぐ必要があった? 不死身なら、別に受けても問題ないだろうに。バレたくなかった?」
それはないな。
なら、今受けたことへの合点がつかない。
となると、別の理由……例えば、アレが……まさか!?
「変わり身……!?」
「気付くのが~速いね~」
「ッ!?」
背後から声が聞こえたのに反応する。
まさか、エリーナを!?
すぐさま振り返ろうとした時に自分の首に腕が回されて、締め上げられ、拘束される。
エリーナが近くにいるのに、エリーナじゃなくて俺を捕まえてきた……!?
「フゥッ!?」
「キキッ!?」
「ユージ!?」
メイは鏡像の自分と力の押し合いをしながらも、俺の方を見て驚き、ウィリデとアルフはいつの間にか俺の背後にいたニャルラトホテプに驚いている。
首を絞められて、息苦しさを覚えながらも、視線をバラバラになって吹き飛んだハズのニャルラトホテプの方へと視線を向ける。
バラバラになって吹き飛んだハズのニャルラトホテプの肉体は、血は、全て透明な結晶———鏡の破片へと変わり果て、砕け散って消えていく。
アレも鏡像か、何かというわけなのか……!?
「えへへ~、秘儀~っていうほどじゃないんだけど~『鏡の身」だよ~。まぁ~魔法名は教えても~効果は秘密だけどね~」
「うぐっ……!」
首を絞めつける力が強まり、余計に息がしづらくなる。
腕を叩いたり、引っ掻いたり、後ろ蹴りでニャルラトホテプを蹴ってみるものの怯む気配もなし。
息を吸いにくくなっているために、力がうまく入ってないのもあるのだろうが、俺自身は『魔物使い』という職業故に力もそこまで強くない。
戦士とかならば、対抗できたのだろうが……。
相変わらず、俺YOEEE! だな。
だけど、弱いなりにやってみるしかない、この危機を脱する方法を!
「ユージ! 今」
「村長の娘さんだっけ~? 何もしない方がいいよ~? 何かしようものなら~君の周りの鏡から~恐ろしいものが飛び出してくるからね~」
「ッ!? いつの間に!?」
どういう状況かわからないが、エリーナがニャルラトホテプの鏡に囲まれていて、行動できない状態になっている様だ。
メイは力でのせめぎ合いをやめるかの様に、すぐさま足を飛蝗の足へと変えると、力強い蹴りを鏡像の自分の腹部にお見舞いし、吹き飛ばす。
そのまま外まで吹き飛ばされたのを見る辺り、地面へと真っ逆さまに落ちていったのだろう。
いくらコピーと言えども、所詮は偽物だ。
本物に勝てるハズもなかったと言うことだろう。
「ユージを離せェ!」
「あら~。やっぱり~知能なしで~やると~あの程度だよね~。遊びで~やったボクも~悪いんだろうけどさ~」
こちらへと一気に迫るメイを見ながらも、余裕の態度を崩さないニャルラトホテプ。
距離を詰めたメイは爪が鋭い猫の様な腕へと変えて、突きを放つ。
「だけど~、君の~性格って~利用しやすいんだよね~」
「ぐっ!?」
ニャルラトホテプは自分とメイの間に俺を持ってくることによって、俺を盾とする。
メイは目を見開き、爪による突きの攻撃は俺の目前で止まる。
メイの長所にして短所……仲間を、友を大切にすること。
仲間や友達を大切にするのはメイの良いところではあるが、逆に言うとそれは敵にとっては利用しやすいものだ。
こうやって、仲間を盾にすれば、メイの攻撃は止まってしまう。
悪いことではないし、むしろ俺はそれをいつまでも持っていてほしいと思う。
だが、それでメイ自身が隙だらけになり、危険になるのも……。
「見逃せないって~、思っても~彼女自身がそうなんだから~仕方ないよね~」
「ッ! メイ! 右だ!」
「ッ!?」
一瞬の硬直が隙となり、メイの横に一つの鏡が出現する様な予兆が見えた気がした。
その予感は当たり、そこから鏡が出現し、中から伸びてきた腕がメイに掴みかかるも、俺の指示で気を取り直したメイは後ろに跳んで回避する。
指示が間に合ったことに安堵したのも束の間、俺の首が再び絞められる。
「うぐっ!?」
「ユージ!」
また息が……!
「不意打ち気味に~放った鏡に~反応するなんて~勘が鋭いんだね~。いや~、それとも~その~血の様に~紅~い目に~秘密があるのかな~?」
「知る……かよ……! 気付けたものは気付けたんだからよ……!」
「そっか~。スキルに目覚める前兆かな~。『虚の魔物』としての~能力の攻撃に気付くなんて~、魔眼を持ってようと~あり得ないんだけどな~。だから~、興味深いけど~厄介そうな力は今の内に摘んでおこうか」
「あがっ……!?」
コイツ、更に強くして首を……!
というよりも、さっき気になることを言っていた気がするが、息が吸いにくくて、それどころじゃねぇ……!
「後~不意打ちも~意味ないかな~」
「フゥ!?」
後ろから聞こえてきた声。
恐らく姿を透明にしていたウィリデが後ろから奇襲をかけたのだろうが、ニャルラトホテプにはどうやら気付いていた様だ。
ニャルラトホテプがウィリデにする行動を考えろ。
ニャルラトホテプがするのは基本的には鏡での攻撃と防御。
なら、ウィリデに取らせる行動はただ一つ。
「ウィリデ! 風で上に飛べェ!」
「フゥ!」
俺の指示通りしたのか、後ろから強い風が吹く。
屋根に強い勢いでぶつかるだろうが、スライムの柔らかい体なら左程ダメージにはならないハズだ。
「ありゃりゃ~、鏡の攻撃をかわすために~そんな指示を出すなんてね~」
やっぱり鏡で攻撃を仕掛けていたか。
メイに出して見せた腕が出てくる鏡での攻撃に違いない。
「ハァァァァ!」
「おや~?」
ウィリデの方へと意識を向けていたために、隙ありと見ただろうメイが跳躍して、飛び込んでくる。
同じ様に俺を盾にしようとするだろうが、二度もやらせるつもりはない。
足に力を入れて、動かされない様に踏ん張り始め、ニャルラトホテプはその行為に「お~?」と声を漏らす。
とは言っても、そんなに長く自信はない。
俺は人間で、向こうは魔人、力の差など歴然だ。
だが、その一瞬でもメイには飛び込むチャンスとなる。
「抵抗しちゃって~、可愛らしいね~……って~言ってる場合じゃないか~」
「今度こそ……!」
メイは鋭い爪を立て、ニャルラトホテプ目掛けて刺突を放つ。
その瞬間、メイの攻撃の先に鏡がギリギリで出現する様な予兆が再び見えた。
鏡で防がれてしまう……! このままじゃ、メイが。
そこまで考えた瞬間、何かに気付いた様な顔をしたメイが、笑みを浮かべる。
「メイ! そのままじゃ、うぐっ!?」
「見えちゃう君は~黙ってようか~?」
言わせないと言わんばかりに首を絞められて、言うことを止められる。
そして放たれる、爪による刺突。
どうにか、どうにかしてメイに伝えないと……!
「大丈夫。だって、ユージは教えてくれたよ。私の攻撃に合わせて、ギリギリ鏡が出現することを!」
「ッ!?」
メイの刺突がニャルラトホテプに迫る間に鏡が出現するが、爪の攻撃は鏡の前で止まる。
「本命はこっちだから」
「本命~?」
「シャー!」
「お~?」
蛇の様な鳴き声……いや、間違いなく蛇の鳴き声だと言っていいだろう。
その蛇の鳴き声の正体はメイの尻尾である毒蛇。
俺の脇腹の横を通り過ぎていき、ニャルラトホテプの体に噛みつく。
この毒蛇が持つ毒の威力は盗賊に対して攻撃した時に見ている。
人間の肉や骨をもいとも簡単に溶かすほどの強力な毒だ。
いくら魔人と言えど、そんな毒を流し込まれればひとたまりもないハズだ。
毒での攻撃が効いたのか、首を絞めている力が緩まり、チャンスだと感じた俺は素早くニャルラトホテプの腕を振り解き、エリーナの方へと走り、鏡に囲まれているエリーナの手を掴む。
いくら鏡に囲まれていようと発動者であるニャルラトホテプが毒で苦しんでいたら、うまく発動はできないハズだ。
俺の考えは的中した様で周りに出現していた鏡は特に動きを見せず、俺はエリーナと共にメイの元に辿り着き、ウィリデとアルフも戻ってくる。
ニャルラトホテプの方へと視線を向けると、噛まれた場所である脇腹を抱え、顔に脂汗を浮かべながらも、笑みを浮かべる。
「あぁ~……苦しいな~。どうやって~……あのタイミングの鏡に~気付いたの~? 教えて~もらったって~いうけど~口は封じさせたよね~?」
「ユージなりに、私に教えてくれたよ。だって、お前もたまにそうやってユージと会話してたでしょ? ユージが考えてることは顔に出やすくて、どんなことを考えているのかもわかるほどだって」
「なるほど~。ロキや~メフィから~聞いてたけど~そこを利用するなんてね~」
「あ、アハハ……」
俺なりの伝え方をしたつもりはないんだけどな~、偶然なんだけどな~。
そんなことを言えるハズもなく、俺は苦笑を浮かべるしかない。
だけど、いつもは嫌になるその癖? というべきかはわからないが、それのおかげでメイはニャルラトホテプの企みに気付くことができた。
コレでニャルラトホテプが倒れるのも時間の問題だろう。
今の内にエリーナを連れて、シルフと一緒にルフェ達と合流して……。
「逃げ出すにはちっと遅かったんじゃねぇかな?」
「ッ!?」
後ろから声が聞こえ、振り返るとそこにはアユムとアイリの姿があり、その後ろにはまた見覚えのない男がいた。
眼鏡をかけて、どこか知的な雰囲気を漂わせる尖った耳を持つ男。
この男……エルフだ。
「お前ら……! ルフェやスイム達はどうした!?」
「あぁ、アイツ等か? アイツ等はアイリの気に触れることを言って、地上に真っ逆さまに落ちたよ。まぁ、姫様が防御結界張っていたし、魔人や魔物だから無事だろう。ここに来るまでには少し時間がかかるだろうけどな」
「ルフェ達が……!?」
ルフェの実力はどれほどかは知らないが、スイムはロキとも何とか戦えるほどの実力を有している。
ノワールたちだって、そこまで弱くないハズなのに……この二人、かなり強いのかもしれない。
そう思っているとエルフの男が前に出てくる。
「アユムさんが急に暴れ出したと聞いた時は計画が狂ったと思いましたが……違っていた様ですね。何せ、この村の村長の娘を餌に目的の奴を呼び出そうとする前に、そこのユージ君でしたっけ? 君が連れてきてくれたんですから」
そういって、男が見せたのは羽を摘ままれて、捕まっているシルフの姿。
ボロボロの姿を見る限り、鏡像との戦いに苦戦したのか……いや、後からやってきたアユムとアイリにやられたと考えるのが妥当だろう。
「え、えへへ……ご、ゴメンね? ボクとしたことがへまをしちゃったよ……」
「シルフ! お前、シルフを離しやがれ!」
「お前とは失礼ですね。これでもミラルと言う名前がですね」
「シルフを……!」
「おや?」
メイがいつの間にか飛び出しており、ミラルと名乗った男の目前に現れ、拳を構える。
「放せェェェ!」
放たれた拳はミラルの腹部にめり込む。
「させるかよ」
ということはなく、その間に割って入ったアユムによって、メイの拳は受け止められる。
オイオイ、マジかよ。
あのメイのパワーを正面から受け止めるって、一体どれだけの力を持ってるんだよ。
「ほぉ、彼女が報告にあった『合成獣』の魔人ですか。興味深いですね……。ぜひとも調べたい。ですが、今はこちらが先です」
「うぐっ……」
「シルフ!」
シルフは苦しそうに呻き声を上げる。
そういえば、コイツはさっきエリーナを餌にシルフをって……まさか。
「気付きましたか? えぇ、私の最後の実験に必要だったのはその娘ではありません。この森の守護精霊である『風の乙女』だったんですよ。本来はその娘を餌に誘き寄せるつもりだったんですがね」
「俺が……シルフを連れてきてしまった」
「そういうことです」
ミラルと名乗った男は人の好さそうな笑みを浮かべながら言う。
まさか敵の狙いがエリーナではなく、シルフだったなんて。
いや、だが、あり得ない話でもない。
シルフはこの森の守護精霊であり、かつてはアンラマンユの呪いをも跳ねのけるほどの護石を作った強力な精霊だ。
狙われる要素としては、エリーナよりも一番あったんだ。
それなのに、そんなことにも気付かず、シルフに頼って……。
「シルフを助けてくれ! ウィリデ! アルフ!」
「フゥッ!」
「キキッ!」
ウィリデとアルフは俺の指示に従い、シルフを助けるためにミラルに突撃していく。
アユムはメイとの力の押し合いをしているために動けない状態。
アイリは『人形遣い』だから、人形を呼び出す前にシルフを取り返せば。
「うまく行かせるわけないでしょ?」
「フゥッ!?」
「キキッ!?」
ミラルに突撃していっていたハズのウィリデとアルフの動きが止まり、その場から動かなくなる。
一体何が起きたんだ……?
【解析できました。個体名:ウィリデ、アルフの体に魔力の糸が巻き付いているのが確認できました。恐らく……いえ、間違いなくアイリの仕業だと言えます】
「なっ……!?」
ヘルプさんからの説明を聞いて、アイリへと視線を向ける。
確かによく見てみると、アイリの指からは魔力の糸が伸びており、それがウィリデとアルフの巻き上げて、その場に拘束しているのだ。
こうなったら、一発しか撃てないが、何かしらの魔法を……。
「ニャル! いつまでそこで毒にやられたふりをしてやがる! さっさと移動するんじゃねぇのか!」
「わかってるよ~。でも~、少しは辛かったんだから~ふりっていうのは~違うよ~」
「え?」
声に反応して振り返ると、そこには先ほどとは違い、何ともなさそうに立っているニャルラトホテプの姿があった。
ニコニコと笑みを浮かべながら、俺とエリーナの間を通り過ぎていき、アユム達の方へと向かっていく。
メイ自身も毒を流し込んだのに、と思っているのか、驚愕の表情を浮かべている。
その一瞬で力が緩んでしまったのか、アユムは素早くメイの腕を掴み、投げ飛ばす。
メイは空中で一回転して体勢を立て直して着地し、ニャルラトホテプ達を睨みつける。
「なんで!? 確かに毒を流したのに」
「なんでだろうね~。それは~ボクが~『虚の魔物』だからかもしれないかもね~。それじゃ~『移動鏡』」
ニャルラトホテプが指を鳴らすと、姿を現した四枚の姿見鏡。
その中に入ろうと歩き出す四人。
「メイ!」
「わかってる! 逃がさない!」
「追わせもしないよ~」
ニャルラトホテプが再び指を鳴らすと、俺たちと向こうの間に巨大な鏡が出現し、往く手を阻む。
それによりメイは足を止め、アイリ、アユム、ミラルという順に鏡の中に姿を消していき、三人が行ったことを確認したニャルラトホテプはこちらへと振り返り、手を振る。
「また後でね~」
それだけ言い残し、鏡の中へと消えていった。
姿見鏡が消えると同時に往く手を阻んでいた鏡が消える。
「シルフ……! クソッ!」
また……連れていかれてしまった。
今度こそ、守って見せると決めていたのに……それも目の前で。
シルフを……必ず助け出す。
俺は拳を強く握りしめながら、そう誓った。
※
何処かの薄暗い場所。
そこにニャルラトホテプ達がいて、シルフは台座の上に拘束される形で寝かされていた。
その先にいるのは……異形の何か。
ミラルはシルフと異形の何かを交互に見ながら笑みを浮かべる。
「本当に~これで~魔王とかにも~対抗できる~戦力が~手に入るの~?」
「えぇ。いくらニャルラトホテプさんたちがいるとはいえ、強力な力を持つ者たちはこの世界に溢れている。それらに対抗するために貴方達だけでは無理が出てくる。なら、少しでも強力な戦力を増やす必要があるでしょう? それにもしかしたら、アンラマンユ様の復活の一助になるかもしれませんし」
「それなら~いいんだけど~」
「それでは目覚めさせましょうか。『深淵の悪魔』を」
ミラルは笑みを浮かべながら、異形の何かを見るのだった。




