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93話 撤退

「んー・・・やっぱりキリがないわね。」

リンベルの持つ力でも、中々終わりが見えてこなかった。


一方、アランはというと・・・裏切り者であるルニアルと接戦を繰り広げていた。


「ふぅ・・・全く厄介な相手だぜ・・・。」


「どうした、疲れが見えてきている様子だが?」


「余計なお世話・・・だっ!!」

アランは指輪から2つの赤い玉を出し、ルニアルに投げつける。

しかし、いとも簡単にそれは避けられる。


「まぁ、避けるよな。」

ニヤリと笑う。

避けられる事は計算済みだった。

その2つの玉は地面に落ちた衝撃で玉は割れた。

しかし、それだけでは無かった。


「っち、煙か!逃しはせぬぞ!!"カマイタチ"」

ルニアルは剣に風魔法をかけ、斬撃を放つ。

その風圧によって、次々と煙は収まっていくが・・・そこにアランの姿は無かった。

その様子を見ていたリンベルも同様に自身の技を使う。


「ここは一先ず撤退って訳ね。"華流剣"!!」

地面から次々と出てくる剣で、リンベルの姿も見えなくなる。

そして・・・何本もの剣に囲まれる。

周りにいた兵士達はただその光景を見るしかなかったが、次の瞬間・・・一斉に剣は広がっていった。


「「うわあああああぁぁ!!」」


兵士達はその襲ってくる剣を避ける事も出来ず、ただ自身の体に剣が刺さっていくだけだ。


「っく・・・!!」


何人かは体を起こすも、そこには何も無い空間が広がっていた。

アランとリンベルの二人は、この場を離脱する事に成功したのだった。


「アランめ・・・あいつらはこの俺が絶対に殺してやる・・・!!」

凄まじい殺気と共に、ルニアルはそう決意するのであった。


二人は、別々の方向に逃げる事に成功し隠れ家である場所で合流した。


「ふぅ・・・さすがに敵がどんどん集まってきたわね。」


「そうだな、それにルニアル・・・俺が思ってた以上に力を付けてやがった。」


「他の兵士達も何かが違ったわ。こう、なんか動きがおかしいというか・・・。」

リンベルの言った事は正しかった。

人族である兵士達はそもそも戦闘力が低い。

それは手練の物でも対して変化はないはずだったのだが、"神使"であるリンベルが攻撃を加えても死ぬ者は少なかった。

むしろ、手負いになっても襲ってくるくらいだ。


「あいつらも、誰かに操られているとみた方が良さそうだな・・・。」


「そうね、とりあえず本気で殺そうとはしなかったけどあのしぶとさは少し厄介だわ。」


二人が話していると、扉が開く音がした。



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