92話 アランチーム、戦闘開始
次々と現れてくる警備兵に囲まれる二人。
その中には"神使"の領域まで届かないでいるが、強者達の姿を見受けられた。
「っち・・・あまり騒ぎは起こしたくなかったが、さすがにのんびりと隠れさせてはくれなかったな。」
「そうね。それで・・・どうする?」
「決まってるだろ、ここで戦うのは不利だ・・・だから、逃げる!!」
アランは指輪から1つの玉を取り出し、敵に向かって投げた。
その瞬間に逃げようとするが・・・
「そんな手にかかるとでも思ったか?」
後ろには裏切り者であるルニアルが立っていた。
「・・・っち。」
玉を投げた方向を向くと、真っ二つにされて地面に落ちていた。
「ちょっと暴れる必要があるみたいね。」
「ああ、俺はこの馬鹿野郎と遊ぶ。後ろの兵士達は任せたぞ?」
「了解よ。」
ルニアルにはアランを、そして約50人の兵士達をリンベルが相手をする事になった。
「行くぞ!!」
先に仕掛けたのはアランだ。
ナイフを取り出し、ルニアルへと投げる。
「遅い。」
軽々とそれを躱し、剣を冗談に構える。
「お前が避けるのは予想してたぜ、おら!!」
避けられたナイフはアランの指に巻きついている糸と繋がっている。
その指をクイッと動かすと、戻ってきて後方からルニアルを襲う。
いや、襲っているハズだった。
「お前の戦い方は知っているぞ、そんな子供だましみたいな手にかかるわけがなだろ?」
「・・・いつの間に。」
糸は切られていた。
「次は俺の番だな。」
両手で持ち上げられた剣に、黒い稲妻を纏わせる。
「・・・全く、厄介な野郎だ。」
ルニアルは剣を凄まじい勢いで振り下ろした。
「ほぅ、そんな事もできたのか。」
地面が大きく裂けており、バチバチっと電気が走っている音がする。
しかし、ある場所で止まっている。
その場所には先程までは存在しなかった、黒く分厚い壁があった。
「この地面の土と俺があらかじめ持っていたSランク級の硬度の"黒土"を混ぜて調合した・・・"黒壁"だ。この壁は相当硬いぜ?」
「相変わらず面倒くさい相手だな。」
「・・・お互い様だ。」
一方、リンベルは次々と兵士達をなぎ倒していっていた。
「数が多いわね・・・奥からもまだ敵が来てるわ。」
敵の数は多いが、それでもリンベルの表情には汗一つ見当たらなかった。
アランが厄介な神使を抑えている為、格下の兵士達を相手にするだけで済んでいるからだ。
「・・・全く、しつこすぎてイライラしてきたわ・・・。」
しかし、終わりの見えない戦いにリンベルのストレスは溜まっていっていた。
「もう・・・しょうがないわね。」
大きくバックステップをし、距離を取ると右手を広げて兵士達に向けた。
「しつこい男は嫌われるわよ!"波剣"!!」
リンベルの後ろにいくつもの剣が現れ、次々と兵士達が倒れていった。




