91話 ルニアル・キアル
一方、流歌とリレイズが牢獄を調べまわっていた頃。
もう1組のチームは王城へと走りながら向かっていた。
「少し聞きたい事があるんだけど良いかしら。」
リンベルがアランへと質問を投げかける。
「なんだ?」
「あのルカって子、一体何者なの?」
「それは俺にもよく分からない。リレイズと一緒だったから、味方なのは間違い無いが。」
「ふーん・・・まぁ、それはこの騒ぎが終わってからじっくりと聞かせてもらうわ。」
「まだ少し走るが大丈夫そうか?牢屋暮らしだったから衰えているのではないか?」
「失礼ね、レディーに衰えとかそんな言葉使っちゃ駄目なんだから。」
「・・・失礼。」
二人は城へと向かっているがやや遠回りだ。
それはもちろん、敵に遭遇したくないという理由だ。
そのままひたすら走っていき、道中少し休憩、また走っていくというのを繰り返し行なっていく。
二人は"神使"だ。
その為、向かうスピードも常人では全く追いつけないほどの速さだ。
「到着だ。」
「やはり警備兵がいるわね。」
目的地である城へと到着した。
「作戦通りこの辺りで待機だ。敵に見つかった場合は隠れ家に行くぞ。」
「ええ。」
二人は到着し、しばらくの間待機する。
城の内部や外にいる警備兵に気を配る。
「・・・なんか騒がしいわね。」
「そうだな・・・多分牢獄での動きはすでにバレている。そう考えると慌ただしくなるのは納得だ。」
流歌達は牢獄にいる敵を撃破した。
その中には"神使"や"黒の種族"といった強力な人物達がいたのだ。
それを突破された、という事は敵にとってイレギュラーだ。
草陰に隠れている二人だが、前方から人が歩いてくる。
それはこの二人も知っている人物だった。
「・・・あいつは・・・。」
「ルニアス・・・!!」
裏切り者の"神使"だった。
ルニアスは剣を出し・・・二人のいる草陰に向かい剣を振り下ろした。
地面を抉りながら、その剣から放たれた一閃は二人を襲う。
「っち!!回避だ!!」
「分かってるわよ!!」
二人は持ち前の身体能力でそれを回避する。
目線を上げると、そこには先程二人を攻撃した男が少し前方に立っていた。
先程よりも近い場所におり、あの数秒で移動したのだ。
「久しぶりだな・・・リンベルにアラン。」
その男は金髪で、鋭い目つきをしている。
「よう、裏切り者・・・。自分と派手な挨拶じゃねーか。」
「ふん・・・、貴様らごときに挨拶をしただけありがたく思え。」
まるで躱すのを当たり前と言わんばかりの態度だった。
もちろんあの程度、二人にとって避けられない訳が無かったが。




