82話 アランの自信
(よし、どうやら上手くいったようだな。)
流歌は"封"によって、鎧戦士達の動きを止める事に成功した。
少し悩んだのだが出来れば生きている者を殺したく無いという理由と、この鎧戦士達が操られている可能性があると思ったからだ。
(さて、こいつらは左右の扉から出てきたって事は・・・真ん中か?)
流歌は真ん中の扉を進む事に決めた。
少し歩くと、先程よりも大きめの空間に出た。
(今度は二つかよ。)
扉は2つ、これも鍵穴が見当たらなかった。
(成功は2つに1つか?さっきは一気に扉を破壊したから2体出てきたと考えると、一つ一つ壊していった方が良いか。)
流歌も出来るだけ戦闘は避けたかった。
もしかしたら、黒の種族や神使などと言った面倒なやつらを相手にしたくなかったからだ。
(それに、体力は温存しておきたいしな。よし・・・右だ。)
直感で右の扉の前に球体を発生させ爆発させる。
「壊れないのかよ。」
扉は破壊できずなかった。
小さな傷が残るくらいだ。
(さっきよりも威力を上げてかないと無理かもしれないな・・・。)
そう思い、大きめの球体を発生させ言葉を唱えた。
「"圧縮"」
今度は"扉だけを圧縮"する事にした。
もしかしたら爆発に耐性があるような物質で扉が作られているのでは無いかと考えたからだ。
「よし。」
そして、見事に扉は球体に圧縮されていった。
出来上がったビー玉を踏んで破壊する。
(そのまま置いていってもいいんだが、何か言われても困るしな。)
そしてそのまま進んでいくと、扉は1つだけの空間に出る。
今度は鍵穴がついている。
「ここで終わりか?」
流歌は鍵を差込んで回していく。
カチャ、と小さな音がすると自動で扉が開いていった。
―その頃、アランとシェルは一進一退の攻防を繰り広げていた。
「本当に面倒な相手ですね、あなたはっ!」
「悪いな、それはよく味方にも言われんだよ!」
様々な武具を使っていき、型にはまらない戦い方をするアランは戦いづらい相手だった。
小さなボールを投げたと思ったらいきなり爆発やキーンと甲高い音をする物だったり、落ちていた石を手に取り、なぜかナイフの様な物になったり。
「はぁ・・・変な能力ですね。」
少しイライラした様子でシェルは言う。
「それは間違いないだろうな。俺は"調合の神使"だ、様々な物質を調合して武具を作って戦う。原理は分からないが、一応デメリットもあるんだぜ?」
そう、たしかに一瞬で武具を作れるというメリットはある。
しかし反対にデメリットもあるのだ。
この便利な能力は、作れる物も大きさやその物によって限られている。
例えば石でナイフを作る事は簡単だが、大剣の様な物質量が多い物はもっと大きな石や岩などが無いと作れない。
もちろん大きさによって消費する魔力も必然的に高くなっていくのだ。
そう何回も使っていけるような魔法では無かった。
「でも、これでやっとお前を倒せる。」
しかし、アランはニヤリとした顔でハッキリと言い放った。




