83話 調合の神使
「僕を倒せると?」
「ああ。」
「残念ですがそれは不可能ですよ。」
シェルが持っていた剣に黒いオーラが纏う。
「なんだ、それ。」
「今からこの剣に当たれば、その箇所からどんどん浸食していきます。気を付けてくださいね。」
シェルは一度の踏み込みでアランのすぐ傍までいった。
「っち、早いな。」
「このスピードに対応できるあなたも中々ですよ。」
シェルは剣を振り下ろすが、それをアランは避けていく。
床や壁に剣は当たっていく。
「・・・これがお前が言ってた浸食ってやつか?」
「その通りです、一度でもかすれば命は無いと思っていいでしょう。」
剣が当たった箇所は、約1mくらいだろうか・・・黒くなっていく。
アランは落ちていた棒でその黒くなった部分を触れた。
すると、灰のようにボロボロしていく。
「どうやら、この位の範囲が限度みたいだな。」
しかし、その棒は黒くならなかった。
(どうやら浸食された箇所は灰になるが、少し経てばそこに触れても大丈夫って事か。)
アランの考えはあたっているのだが、人に当たれば体の半分以上は灰になってしまうだろう。
人間はせいぜい大きくても2m程が限度だ。
「厄介な魔法だな・・・。」
「そうでしょう、それでも僕に勝てるとでも?」
「もちろんだ。」
「それでは、続きをしていきましょう!」
次々と斬りかかってくるシェル。
それを紙一重で交わしていく。
時折、指輪から道具を出して応戦していくが・・・剣に当たるだけでも灰化していく為中々効果が得られえない。
「どうしましたか!?先程から道具を投げてもかすりもしませんよ!?」
アランは道具を次々と投げていくも、疲れがあるのか当たりもしなかった。
「ハァハァ・・・ふぅ。」
アランは距離を空ける。
「そろそろ終わりでしょうかね?大分疲れている様に見えますが。僕を倒すのでは無かったのでは?」
「おしゃべりな奴だな・・・、お前がどんどん周囲を灰にしていくからやり直しただけだ。」
「やり直した?」
「ああ。悪いがこれでもう終わりだ。」
「強がりを言ってくれますね。では死んでいただきますね?」
「お前がな!!」
「むっ!小癪な!」
突如背後から飛んできたナイフに思わず剣で払わず避けるシェル。
だが、それが間違いだった。
「そう、お前がこのタイミングで避けるのを待っていたんだ!!」
「なにっ!?」
床や地面が様々な場所で光り始める。
「待たせたな・・・行くぞ!!」
突如地面から突き出てくる多数の針、灰化した壁にハメられている大きめの赤いボール。
シェルは突き出てくる針を避ける為にジャンプする。
「余計な真似を・・・何っ!?」
空中にいるシェルに向かって石の塊が飛んでくる。
「ぐはっ!」
腹部に命中し、そのまま壁にぶち当たる。
アランが持ってきた指輪の中にあった衝撃を起こす道具"波動玉"で飛ばしたのだ。
「ぐっ・・・僕はまだ負けてないぞ!!」
シェルは剣だけで無く、自信の体にも黒いオーラを纏う。
「いいや、終わりだ。」
壁に埋まっているシェルに向かって、1つのナイフが飛んできた。




