80話 アランvsシェル
「やっとお出ましか、この国の異変もお前がやったのか?」
「お前というと少し違いますね、正確には"お前ら"です。」
「やはり複数人か・・・俺達は先に進んでやりたい事があるのだが、はいどうぞとすんなり通してくれる訳にはいかないんだよな?」
「そうですね、それはできません。どうしますか?」
「そんなもんは決まってるだろ?」
アランはどこからかナイフを複数出し、その黒の種族の者に投げた。
「おっと、まだ自己紹介もしていませんのに・・・気が早いですね。」
軽々とナイフを避けていく。
そして、途中でそいつの姿が消えた。
「僕の名前はシェル・ゴーウィンです、よろしくお願いします。」
アランの背後から、その声は聞こえた。
シェルは持っていた剣でアランの首を跳ねようとした時・・・
「俺を忘れるなよ?黒マント。」
「おや、あまり知らない顔ですね。」
シェルが消えたと思った瞬間、流歌はそのスピードを見事に捉えていた。
その為すぐさまシェルに向かって刀を振る。
「っち。」
しかし、その攻撃はまた躱されてしまった。
(こいつ相手に刀だけでは少し厳しいな・・・やはり"白器"を使うしかないか。)
流歌がそう考えていると、アランが前に出た。
「ルカ、こいつは俺に任せてリンベルを出しにいってくれ。」
そう言い、流歌に鍵を投げた。
「大丈夫なのか?」
「少し体が鈍っていたところだ・・・丁度いい運動にはなるだろ。」
「そうはさせませんよ?」
シェルは大きく剣を振り払い、斬撃を飛ばした。
「くそっ・・・おい、アラン!」
しかし、アランはその場から動かなかった。
このままいくと斬撃に当たってしまう。
「面白い物みせてやるよ、ルカ。」
アランは余裕の表情だった。
またいつの間にか手には何本ものナイフがあった。
それを斬撃に向かって投げた。
「そんなものでこの斬撃が止められるとでも?」
「ああ、その通りだ。・・・"千鳥"!!」
ナイフは、なぜか電撃を帯びていく。
そして・・・爆発し斬撃を消していった。
「・・・何ですか、それは?」
シェルも不思議そうな顔をする。
「ナイフには小さいが火薬が付いててな。ナイフについているこの細い糸に電撃を流し込み爆発させた、わかったか?」
「少し面倒な相手だと言う事は分かりましたよ。」
はぁと、小さく溜息を吐く。
流歌は薄々感じていた。
このアランも"神使"なのではないかと。
「お前も・・・"神使"だったのか?」
「俺は"調合の神使"だ、様々な物を調合し武器や道具を作って戦う。・・・まぁ、今の様に電撃を伝わせるくらいの魔法は出来る。」
(調合の神使・・・戦い方はもっと見てみたいが今はそんなじっくりしている暇はなさそうだな。)
「ってことでこいつは俺に任せて先に行ってくれ。」
「・・・分かった。気を付けろよ。」
「ああ。」
流歌はこうして先にリンベルの元へと向かって走っていった。
シェルはそうはさせないと斬撃を飛ばしていくが、アランがそれを阻止していった。




