79話 2階での出会い
「ルカ、行くぞ!」
キリカから受け取った鍵を持って、二人は2階へと到着した。
「それで、あいつは大丈夫なのか?」
「キリカか・・・あいつだったら多分大丈夫だろう。」
「一体何者なんだ?」
「あいつは"召喚の神使"だ。魔法を使って様々な精霊を召喚して戦うんだが・・・まさかあのキリカまでも操るとはな・・・どうやら相当ヤバそうな"黒の種族"がいるかもしれないな。」
(キリカもとんでもない奴って言うくらいだからな。)
「なるほどな・・・、それでそのキリカは俺達を追って襲ってくる可能性があるのか?」
「いや、多分それは無いだろうな・・・あいつの性格上、仲間を殺すような真似は何が何でも阻止するだろう。」
「操られている状態では無理なんではないか?」
そう、キリカも操られていると自身で言っていた。
「・・・それはないだろうな。多分精霊を召喚して自分自身に何かをするはずだ。」
「そうか・・・。」
「とりあえずリンベルの牢屋に向かおう、一番厳重な場所だとしたら多分あそこだろう。」
「ああ。それと、お前らがさっきから言っているリンベルというのは誰なんだ?」
「・・・"禁忌の神使"リンベル・レイローズだ。あの人にしか扱えない魔法はとてつもなく強力だ。」
「禁忌魔法の使い手か・・・。」
「ほう・・・知ってるのか、禁忌魔法を。」
「まぁな。」
(俺の"白器"も禁忌魔法みたいなもんだしな。)
まだこの時点ではリレイズやアランに流歌の持つ力である"白器"の事は秘密にしてある。
基本的にそこらへんの相手だったら、刀だけの勝負でもついていけるからだった。
「なぜあれ程の人が2階なのか不思議ではあるが・・・何かあるかもしれない。警戒をしておくぞ。」
「ああ。」
二人はさらに進み、まずはその"リンベル"という人物の元へと向かっていった。
そして大きめの扉があり、それを開けると広間に出た。
その時、アランの声が響いた。
「伏せろ!!」
流歌とアランはすぐさま伏せた。
頭上にブォンという大きな風を斬った様な音がした。
「なんだ!?」
「・・・どうやら敵さんの様だな。しかもあの黒のマント・・・。」
「"黒の種族"の登場って訳か・・・。」
体を起こすと、二人の前方には黒のマントを羽織った人物がいた。
ここまでの話や、流歌が旅をしてきて見てきた人物達と同じだ。
・・・・"黒の種族"である。
「さすがに避けますね。実に面白い。」
表情は仮面を被り見えなかったが、どこか楽しそうな雰囲気を醸し出していた。




