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64話 神使と異変

「先程はすまなかったな。まずは自己紹介をしよう、俺の名前はリレイズ・コナーだ。」


「ルカだ。」

家に入り、二人は自己紹介をする。

中は思ったよりも広かった。


「それで・・・旅人と言ったな?」


「ああ。」


「リグス大陸に行くなどと言っていたが、今あそこがどんな状況かは分かっているのだろうな?」


「魔族との戦争が始まりつつある・・・くらいしか分からないな。」


「知ってなお行こうとするのか、目的は何だ?」


「俺は記憶喪失だ、だからその記憶を取り戻す為に旅をしている。」

流歌はここでも嘘をついた。

まだこの男が何者か、というのを知らないからだ。


「ほう・・・まぁ別に変に探ったりはしないから安心しろ。」


「助かるな。それと一つ質問だ。」

流歌はこのリレイズという男にある疑問を抱いていた。


「何だ?」


「人族は基本的にあまり強くないと聞く。なのにお前はあんなにも強い・・・それはなぜだ?」

そう、流歌の言うとおり人族は弱い者が多い。

中には強い者をいると聞くが、それはひと握りだ。


「ふっ、それを言ったらお前もだろう?」

リレイズが言う事はもっともだった。

流歌自身も人族とはかけ離れた強さを持っている。


「それはそうなんだが・・・。」

何て言葉を返そうと悩んでいると、リレイズが続けて話す。


「おっとすまない。あまり詮索はしないと言ったばかりなのにな。ではその疑問について答えよう。人族の中にも特殊な体質があるのは知っているか?」


「ああ、合っているかどうかは知らないが・・・人族は魔法を扱える者が少ないし、身体能力も他の種族に負けてる。まぁせいぜい詠唱で魔法を使うのがやっとだろ。」


「ああ、人族に関してはその通りだ。それで?」


「だが稀に生まれながらにして魔法に適していたり、身体能力がずば抜けて高い者もいると聞く。そいつは世間から"神使"と呼ばれる・・・まさか・・・」


「そう、その中の一人が俺だ。」


「だからあんなに速く、強かったのか。」


「俺の場合は魔法はそこまで使えないがな。身体能力の方に特化している。」


「"神使"によって能力が違うってことか?」


「ああ。」


どうやらこの"神使"という存在は、一人一人能力が違う事もあるみたいだ。

このリレイズは身体能力に特化している。

魔法も少しは使えるみたいだが、魔法に特化した"神使"に比べたら赤子同然らしかった。


「だがまてよ?その"神使"ってのは王の守護隊とかに所属させられるって前にみた本に書いてあったぞ。」


流歌はこれまで、エルフの里や獣族の大陸で本をたくさん読みこの世界の知識を増やしてきた。

元々"神使"など、各大陸の代表的な存在は一般常識とされる事が多いみたいだが。


「今の国は何かが変だ。その原因がここの森のどこかにあるみたいでな・・・俺をそれを探しにきたんだ。」


「変・・・どういう事だ?」

流歌のその言葉にフゥと息を吐き、話し始めた。


「少し長くなるから、覚悟しておけよ。」


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