62話 いざ、リグス大陸へ
「おい、その話・・・もう少し詳しい事は分からないか?」
「詳しい話か・・・実は俺も良くわからないんだが、人族の"勇者"ってのは伝説上の人物で・・・ま、神話だな。物凄い力を持っていて、世界を1つにしていくって話だ。」
(勇者か・・・やっぱりどこの世界でも世界を救うってのは一緒なんだな。)
元の世界でも、"勇者"というのは強い力を持っていて人々を救ったりする・・・そんな人物だ。
「それで、復活させるってのはどういうことだ?」
「分からないな、所詮は神話だ。」
「そうか・・・。」
ギルはそこまで詳しい話は知らない様子だった。
そもそも勇者を召喚・復活なんてものは神話の中の話らしく、それが現実に起こるなんてこの世界【オールフラン】の住人は誰一人として思ってもいない。
ただ単純に戦争が近くなり、そういった噂が流れているだけのものと考えられる。
「よし、俺が送ってやれるのはここまでだ!!」
馬車は見晴らしが良く、道が続いてある場所で止まった。
「悪かったな、送ってもらって。」
「いいって事よ!ただここから先はちと道のりは長いぞ、夜になればもちろん魔物も出てくるだろうが・・・まぁルカなら問題ねぇか!!」
そんな事を言いつつ、ふとギルは真剣な表情になった。
「いいか、やばくなったらすぐ俺らの街に戻ってこい。」
「・・・ああ。」
流歌は小さく頷いた。
「それと、俺とリルンからのプレゼント大切にしろよ?」
「分かってる。」
プレゼントというのは、ギルとリルンが流歌の為に用意した神器である"精霊の灯火"・・・ライターである。
元々はリルンの持ち物だったが、流歌への譲渡の際に時間がかかる手間を省略させたのはギルだ。
「それがあれば火に困る事はねぇ。神器の中でも最低ランクな品物だがリルンの大切な持ち物だ。しっかりと持ってろよ!!」
「・・・もちろんだ。」
「よし、気を付けて行ってこい!俺達は待っているぞ!!」
「ああ、行ってくる。」
そう言って流歌は歩き出した。
この道を真っ直ぐいけば"リグス大陸"がある。
(・・・最後まで暑苦しい奴だったな。まぁ・・・嫌いではないが。)
そんな事を思いつつ。
しばらく道を歩いていると、周りには木々がたくさん生えてきていた。
太陽の色もオレンジ色になりもう少ししたら夜になる。
「本格的に森の中に入る前に、ここらへんで野宿にしておくか。」
流歌は"女神の指輪"から物品を取り出していく。
(・・・よし、一応寝る場所の確保はできたな。)
周りの整理や簡単なテントを張っていたら、もう辺りは暗くなっていた。
(ここは星が綺麗だな・・・。)
獣族の街やエルフ里にも星はいくつも出ていたが、どうしても灯りがある為ここまで綺麗に見ることができなかった。
夜空を眺めながら、流歌は眠りにつくのであった。




