41話 挑戦者
「・・・ここが、コロシアムか。」
今、流歌の前には大きな門・・・そして円形の闘技場があった。
想像通りだ。
広さは日本でいう東○ドームくらいだ。
「おうよ!さぁルカ!ここに初めて入場するには名前を書く必要があるからさっさと書いてこい!」
ギルに案内され、受付場で名前を書いた。
この時のギルの顔は物凄く不気味だったが、この時の流歌は気付いていなかった。
「よし、まずはここで観戦するぞ!」
そう言われ、三人共席についた。
丁度試合の最中みたいだ。
屈強な体をした二人の男が戦っている。
・・・獣耳がついているが。
「一人は剣、相手は盾と槍か。」
二人とも素早く動き、互いに隙を狙っている。
その時、剣を持っていた男が大きく踏み込んで・・・相手の槍を弾き、首元に剣先を突きつけた。
(いまのは早かったが・・・何だあの脚力は?)
流歌が不思議そうな顔をしているとギルが察したかのように説明をし始めた。
「今のが俺達獣族の強みだ。身体能力に関しては他の種族よりもずば抜けて強い!まぁ・・・長耳族のような魔法はあまり得意では無いがな!ガッハッハ!」
(なるほど・・・魔法が不得意な代償として身体能力に関してはずば抜けているって事か。)
その後もハイレベルな戦いを観戦し、流歌は楽しんでいた。
「ところで、これは殺し合いでは無いんだよな?」
「ん?そうだ、殺したら反則負け!それ以外はなんでも有りだ!ついでにもし相手を殺してしまったっていうなら、例え事故でも牢獄行きさ・・・。」
「牢獄か・・・どんな感じなんだ?」
「俺も話くらいしか聞いた事ないけどよ、二度と過ちを犯さない様にこっぴどく調教されるらしいぜ・・・。」
(調教か・・・そりゃ勘弁だな・・・。あまり問題を起こしたくないな。)
「お、ルカ!一旦降りるぞ!次の戦いは見ものだからな!」
「ん?降りるって・・・」
そう言いかけた瞬間、ギルが流歌の服を掴み・・・コロシアムまで飛び降りた。
「なっ!?」
「さーて!行ってこい!!」
空中で掴んでいた手を離し、流歌だけ気付いたらコロシアムの中心近くにいた。
(・・・まさか・・・これって・・・。)
流歌は思い出していた。
(あの受付・・・俺以外は名前を書かなかった・・・。つまりあれは・・・。)
そう、流歌が書いたのはコロシアムの"挑戦者"の受付場だった。
「ギル!お前!!」
「ガッハッハ!!頑張れよルカ!!!」
「ひぇー!私は何も知りませんでしたからああ!!」
ギルは大笑い、リルンは大慌て。
(あの野郎・・・覚えとけよ・・・。)
そう心に決めた流歌であった。




