40話 獣族"コロシアム"
ギルと食事をし、店を出た。
その時流歌は視線を感じた。
(・・・またか・・・。)
この視線はここに来てから何度もあった。
"ここ"というよりかは小屋を離れてからだ。
「おっ、流歌どうした?変な顔をしてるぞ?」
「いや・・・さっきから視線を感じていてな。」
「何?たしかにルカは人族で反感を買う事もあるだろうが・・・。今はカイル様の許可も下りてるし大丈夫だと思うんだけどな・・・。」
「そういう感じの視線じゃないんだよな、敵意では無い。」
「敵意ではないって・・・んじゃ一体何者だ?」
そこで流歌は路地裏の方を見てこういった。
「・・・おい、そろそろ出てこいメイド。」
そう言うと路地裏から「ひゃっ!?」という何とも間抜けな声が聞こえた。
そしてその声の主は恐る恐る出てきた。
「お前っ!リルンじゃねーか!」
「ごごごめんなさぃぃ!べ、別に付けて何かをしようとか思ってないですからこの度の無礼をお許しくださいぃぃ!!」
「・・・はぁ・・・で、何の用だ?」
「よ、用というよりかはこれからお世話する人がど、どんな感じなのかなー?って思って・・・。」
「・・・さっきのは事故だ。別に変な事をしようとはしてない。それとな、別に世話役なんていらないぞ?」
「カ、カイル様の命令ですから!」
「どうしてもなのか?」
「どうしてもですう!」
(こいつ・・・全く引かないな・・・。)
このリルンという兎耳のメイドは頑固だった。
「・・・分かった。だからもうコソコソするのはやめてくれ、気が散る。」
「!はっ、はいです!」
「で、ルカよ。」
ギルが区切りのいいところで話しかけてきた。
「なんだ?」
ギルはニヤニヤと不気味な顔をしてこう言ってきた。
「おーもしろい場所があるんだけどよ、行ってみねぇか?」
「・・・面白い場所?」
「ああ、この獣族のコロシアムみたいな場所だ!」
「コロシアム・・・大体想像できるが、面白いそうだな。」
流歌の知識では"コロシアム"とは戦う場所である。
すなわち、獣族の戦いが観戦できる。
その為流歌が出した答えは・・・
「よし、さっさとそこに連れてってくれ。」
「よしきた!行くぞ!」
こうしてリルンを含めた三人はコロシアムに向けて歩を進めるのであった。
リルンが後ろで"そんな所怖いです!!"などと叫んではいるが、流歌とギルは無視していた。
一度、ギルの家に行き馬の相棒ルルンともう一匹の馬を連れて向かっていった。
ついでに、ギルの家は周りの獣族の家と大して変わらない大きさだった。




