36話 相棒ルルン
-次の日
「おい!朝だぞ起きろ!朝食の時間だぜ!」
そんなうるさい男・・・ギルの声で目が覚める。
(本当にこいつはうるさいな・・・・。)
そんな事を思いつつ、流歌は体を起こして食事へと向かっていった。
昨日の獣肉だろうか、朝からお肉が用意してあった。
それを流歌が口に持っていくと・・・
(ん?なんだこの肉・・・不思議だな。それにこの味って・・・)
流歌がいた世界で食べた事のある味だった。
その肉は口の中でトロリと溶けていき、味は甘く美味しかった。
「ガハハ!その顔はやはり不思議に思ったか!」
「・・・朝からうるさいな・・・確かに肉にしては不思議な感触と味だったがこれは一体何だ?」
「その肉はな、朝に草むらから音がして様子を見に行くと"モモラビット"いたんだ!レアな動物だぜ?」
そう、その名の通り桃の味がしたのだった。
このオールフランに桃が存在するかどうかはまだわからないが。
「モモラビット?」
「ああ、兎の動物だ!甘く、口の中で溶けていく・・・デザートみたいなもんだよ!」
「へぇ・・・色々いるもんだな。これを食べたら獣族の大陸へ向かうのか?」
「そのつもりだ!俺は荷物を届けないといけないからな。」
「そういえば魔物に襲われていた時も逃げずに馬車を守っていたよな。」
「この荷物は大切な物が入ってるからな、無くなったりでもしたら大変だしな・・・。だからルカに助けてもらった本当良かったぜ!」
「そうか、まぁ食ったら行くぞ。・・・・ん?何だその顔は。」
ギルをみると、その表情はポカーンとしていた。
「い、いや・・特に何が入ってるかとか聞いてこないんだなーって思ってよ・・・。」
「別に何が入ってようが興味はないからな。」
「・・・ガハハハ!やはりお前は面白い奴だな!」
「あんた程愉快では無いがな。」
そんな事を話しつつ、二人はジニアス大陸へと向かう準備をして、馬車に乗り込んでいった。
「よーし!行くぞルルン!」
「ヒヒィーン!!」
「その馬の名前はルルンっていうのか?」
「そうだ!俺の相棒だぜ!こいつとはもう何年もコンビだしな!」
ルルンと呼ばれる馬は、茶色の毛で額に切り傷が入っている。
目つきは生き生きとし、ギルの相棒らしくとても元気で・・・うるさそうな奴だった。
(こいつにしてこの馬あり・・か。)
またそんな失礼な事を考える流歌であった。
「それじゃ、出発!!」
こうして、ギルと出会い二日目のジニアス大陸への旅路が始まった。




